武装グループが24日、エジプト・シナイ半島北部のアリーシュにあるホテル「スイスイン」を襲撃し、宿泊していた裁判官ら少なくとも7人が死亡した。過激派組織「イスラム国」(IS、ISIS)傘下の「イスラム国シナイ州」が犯行声明を出した。ロイター通信などが伝えた。
エジプトでは前日23日、議会選挙があり、ホテルには選挙を監視する裁判官らが多数宿泊していたという。ロイター通信がエジプト内務省の発表として伝えたところによると、この襲撃により、裁判官2人、警官4人、民間人1人の少なくとも7人が死亡した。
「イスラム国シナイ州」は声明で、「殉教を望んでいた兄弟が、獅子に追われるしかない50人の裁判官が宿泊していたスイス(イン)ホテルを警備する治安部隊を爆弾車で襲撃した。彼は自動小銃で裁判官らの元に押し入り、彼らの中で自爆ベルトを爆発させた」などと述べた。
この襲撃には3人が関与したとみられており、エジプト軍は3人を殺害したと発表している。
3人のうち1人は爆弾を積んだ車でホテルに押し入ろうとし、治安部隊が発砲で対応。車は最後には爆発したという。襲撃されたホテルのマネージャーはロイター通信に、「治安部隊は自爆しようとした男と車に発砲し、車のタイヤを打ち抜きましたが、車はホテルの入り口まで進み続け、爆発しました。非常に大きな爆発でした」と語った。
2人目は、近くの浜辺からホテルのレストランの窓を割って押し入り、自爆した。レストランにはその時、誰もいなかったという。3人目は、客室がある側からホテルに押し入り、裁判官1人を撃ち、治安部隊に射殺されたという。
「イスラム国シナイ州」はこれまでも、エジプト軍や警察などへの襲撃を繰り返しており、10月末にシナイ半島で墜落したロシア旅客機についても犯行声明を出している。