過激派組織「イスラム国」(ISIS、IS)が22日に世界各地でテロを計画しているなどとする情報を発信していた、国際ハッカー集団「アノニマス」が近く、この情報に関して説明と謝罪をする見込みだ。22日公開した「公式プレスリリース」とする文章で明らかにした。
アノニマスは、今月13日にパリで発生した「イスラム国」によるテロを受け、「イスラム国」に対してサイバー攻撃などを仕掛けると宣戦布告。「Operation Paris(OpParis=パリ作戦)」とするプロジェクトをネット上で行い、「イスラム国」に関連する多数のツイッターアカウントを停止に追い込んだなどとしていた。
そして21日には、「イスラム国」が22日にパリや米国、インドネシア、イタリア、レバノンなどの各地でテロを計画しているとする情報をネット上に公開していた。アノニマスはこの情報で、パリの3カ所、ローマ、インドネシア、ミラノ、レバノンなどの特定の場所の名前を上げており、米国では22日夜にジョージア州アトランタで行われた米プロレス団体「WWE」のイベント「サバイバー・シリーズ」が狙われているなどとしていた。
この情報を伝えた米メディアによると、アノニマスはこれらテロの標的にされているとする場所の情報と共に、「(この情報を発信した)目的は、世界中が、あるいは少なくともこれらのイベントに行く人々が、危険性があること、またテロが起こり得る可能性があることを知ってもらうためだ。またもう一つの目的は、世界がテロ(の発生)を知り、それを止められることをダーイッシュ(「イスラム国」)に知らしめることだ」などと述べていた。しかし、これまでのところこれらの場所でテロなどは報告されていない。
その後、アノニマスは22日、「公式プレスリリース:パリ作戦国際チーム・アノニマス」とする文章を公開。「われわれは、新しい最新の声明を今日か明日にも発表する。声明では、説明とお詫びが含まれる予定」などとした。テロの標的にされているとしていた場所が掲載されていたページにも現在、「任務完了」というタイトルでこの文章が掲載されている。
文章は、「われわれの作戦は終了した。適切な当局に警告をするという、われわれは目標は達成された」などと続き、「もうこのリンク(テロの標的になっているとする場所のリストが掲載されたページのリンク)をこれ以上シェアする必要はない、当局がその役割をよく果たすのであれば(われわれはそれを願っている)。さらなる『恐怖』が広がることを避けるため、われわれはこの文章を除いて、われわれのツイートを削除した。今日、われわれは、当局を一度だけ信用する」などと述べている。