過激派組織「イスラム国」(ISIS、IS)は、ウェブ英字機関紙『DAVIQ(ダビク)』の最新号となる第12号で、拘束していたノルウェー人と中国人の男性2人を殺害したとする画像を掲載した。「イスラム国」は、9月に公開したダビクの前号(第11号)で、「FOR SALE(売り出し中)」などと書かれた2人の画像を掲載していた。
ダビク12号に掲載された「囚人2人の最期」とする画像には、拘束中のノルウェー人と中国人の男性とみられる2人が黒い目隠しをされている姿と、頭から血を流して倒れている姿が写っている。また、画像には「不信心者の国々と組織に見捨てられた後に処刑された」と大きくある。
ダビク11号に掲載された情報によると、ノルウェー人男性はオレ・ヨハン・グリムスガード=オフスタッドさん(48)で、中国人男性はファン・ジンフイさん(50)。それぞれ黄色い服を着せられ、顔を前後左右の方向から写した4枚の写真と共に、住所や生年月日、学歴、職業、出生地などの情報が掲載されていた。その上で「イスラム国」は、「解放のために身代金を払うことを希望する人は誰でも下記の電話番号まで」などとし、イラク国内の電話番号とみられる番号を掲載していた。
ロイター通信によると、ノルウェー人のオレ・ヨハンさんは今年1月に、シリア国内で何者かに拘束されたとみられており、その後複数の武装組織を経て、「イスラム国」に引き渡されたという。
一方、中国人のファン・ジンフイさんについては、中国国営の新華社通信が、現在フィリピンで開催中のアジア太平洋経済協力会議(APEC)に出席している習近平国家主席が、殺害を強く非難する談話を発表したと伝えた。ダビク11号では、ファン・ジンフイさんの職業を「フリーランスのコンサルタント」としていた。