ドイツ政府は26日、米国やフランスが進める過激派組織「イスラム国」(IS、ISIS)に対する軍事作戦を支援するため、初めて軍用機や艦艇を派遣する方針を決めた。一方、派遣する軍用機は偵察目的のもので、「イスラム国」に対する空爆は行わない方針だという。NHKや時事通信が伝えた。
NHKによると、首都ベルリンで行われた関係閣僚会議で決まった。派遣されるのは、多目的軍用機「トルネード」4〜6機と、地中海のシリア沖に展開しているフランス軍空母「シャルル・ドゴール」護衛のためのフリゲート艦1隻など。ドイツが、対「イスラム国」作戦で、軍用機や艦艇を派遣するのはこれが初めてになるという。
英BBCによると、ドイツ軍は「トルネード」を85機保有しており、バルカン半島やアフガニスタンでの紛争時に偵察機として派遣されたことがあるという。
アンゲラ・メルケル独首相は前日25日、フランスの首都パリでフランソワ・オランド仏大統領と会談。対「イスラム国」で共闘することで一致し、ドイツは「イスラム国」に迅速に対応する義務があるなどと述べていた。
また、BBCによると、ドイツ政府はさらに、西アフリカのマリで展開するフランス軍部隊1500人の支援のために、ドイツ軍部隊650人を派遣することを発表した。フランスは、2012年にマリ北部を制圧したイスラム武装組織に対応するため軍を派遣していた。