【CJC=東京】アフリカ中央部を歴訪に乗り出した教皇フランシスコはウガンダ、ケニアに次いで11月29日、最後の訪問国、中央アフリカを訪れ、同国で続く宗教間衝突の当事者らに対し武器を置くよう求める平和のメッセージを送った。
教皇は、首都バンギの大聖堂で行ったミサで、許しと和解にささげられる「いつくしみの特別聖年」の始まりを象徴する「聖なる扉」を開いた。12月8日開始の特別聖年だが、「聖なる扉」の開放は象徴的な始まりを意味する。
ミサで教皇はさらに、「現世の武器を不正に使う全ての者に訴える。こうした死の道具を捨てよ」と呼び掛けた。
歴訪の最終日30日、キリスト、イスラム両教徒が激しく対立するバンギの「PK5」地区にあるモスク(イスラム礼拝所)を教皇は訪れた。AFP通信によると、教皇は演説で、イスラム教徒とキリスト教徒の抗争が続く同国情勢を念頭に「イスラム教徒とキリスト教徒は兄弟姉妹だ」と述べ、融和と協調を訴えた。
教皇はモスクに集まった大勢の人を前に「われわれは憎悪や報復、そして神や宗教の名の下に実行される暴力に対してノーと言わなくてはならない」と力説。モスク到着時には数千人が道路脇に並び、バチカン国旗を振って出迎えた。
教皇はバンギのバルテレミ・ボガンダ・スタジアムでミサを行った後、帰国の途についた。