東日本の太平洋岸ほぼ全域にわたる範囲で大被害をもたらした東日本大震災による大津波。4年半が過ぎた今でもその被害の傷跡は消えず、復興に向けての活動が日々続けられている。そんな中、津波で会堂が全壊し、宮城県内の教会では再建が最後に残っていたSEASIDE BIBLE CHURCHグレース宣教会つばめさわ教会(旧シーサイドバイブルチャーチ、内藤智裕牧師)の会堂再建に向けての建設が、日本国際飢餓対策機構(JIFH)の協力によって始まった。
大震災時に発生した大津波は、東北地方に大きな犠牲をもたらした。教会も例外ではなく、宮城県内においては、完全流失が3カ所、大規模半壊が1カ所、1階天井付近までの床上浸水が3カ所の被害が出た。震災当時、仙台市の宮城野区蒲生地区にあった同教会も、建物は土台を残して全て流失してしまい、その跡地には津波の力で傾いてしまった十字架だけが残された。
その後、同教会は、旧地から4キロほど内陸にある元喫茶店(仙台市宮城野区新田)のスペースを借りて聖日の礼拝を始め、カフェ、英会話教室、仮設住宅への訪問などを行い、新しい地域で新たな交流が生まれていった。また同時に、流失した会堂の再建についても祈り続け、新会堂建設のための用地を探してきた。そして2014年2月、東北本線東仙台駅より徒歩で15~20分ほどの仙台市宮城野区燕沢(つばめさわ)にある住宅団地の一角に約800平方メートルの土地を購入することができた。
その頃、JIFHの海外パートナーである韓国飢餓対策機構から、東日本大震災で集められた義援金を被災した教会のために使ってほしいとの申し出があり、再建計画のあった同教会に話が持ちかけられ、同年6月から韓国との話し合いが進められてきた。昨年末から仙台市内の設計事務所を通して建築確認申請の準備をし、今年6月下旬に仙台市から許可が下り、7月に建物の基礎工事を完了させた。11月中旬に資材が全てそろったところで、今回の建設の運びとなった。当初の見通しでは最短で8月完成の予定だったが、目標を大幅に切り替えて来年2月の完成を目指している。
同教会が借りていた元喫茶店は、今年6月で返したため、現在は市民センターなどを借りて礼拝や教会活動を行い、来年の会堂完成に備えている。同教会の内藤牧師は、「わたしは彼らを、わたしの聖なる山に連れて行き、わたしの祈りの家で彼らを楽しませる。彼らの全焼のいけにえやその他のいけにえは、わたしの祭壇の上で受け入れられる。わたしの家は、すべての民の祈りの家と呼ばれるからだ」とイザヤ書56章7節の御言葉を引用し、「祈りの家と呼ばれるべき教会の建物が、主にあって完成し、多くの人々の祈りの家として用いられるように、どうぞ、引き続きのご支援と祈りをお願いします」と述べている。
同教会への支援献金の振込先は、三菱東京UFJ銀行仙台支店(普)0005-314-0229247、シーサイドバイブルチャペルまで。