東日本大震災で被害を受けた「キリスト教森郷(もりごう)キャンプ場」(宮城県利府町)にある「Morigo 礼拝堂」のリフォームが完成し、再建を記念した感謝礼拝が6月27日に行われた。礼拝には、キャンプ場の設立に携わった日本バプテスト同盟の関係者をはじめ、被災地支援で協力関係を持ったさまざまな教団・教派、支援団体に加え、地元の県議会議員や町議会議員ら約150人が集まり、再建の喜びを分かち合った。
今回リフォームが行われた礼拝堂は、日本バプテスト同盟オアシスチャペル利府キリスト教会(松田牧人牧師)が運営するキャンプ場にあり、東日本大震災で大きなダメージを受けた。昨秋から改修工事が始まり、このほどようやく完成。感謝礼拝当日はあいにくの雨だったが、冒頭、ゲストとして参加した沖縄出身のゴスペルシンガー上原令子さんは、「この雨は恵みの雨。木々の緑がこれほど深いというのは沖縄では見られない。本当に美しい」と参列者に語った。
また、キャンプ場にゆかりのある人々から寄せられた礼拝堂再建に感謝する手紙も読み上げられた。ユーモアと愛にあふれた来賓によるスピーチも語られ、会場は温かい雰囲気に包まれ、約3時間というプログラムの長さを感じさせなかったという。
礼拝の最後には、松田牧師が参列者に感謝を述べた後、「この時代、この被災地に最も必要なものは、イベントや建物やお金ではなく、神の御心を行う“人”だ。施設を整備することがゴールではない。これらの施設が、神様の御心を行う人を育む働きのために用いられることを願って、これからも前進していきたい」と述べ、さらなる協力を呼び掛けた。
この日の礼拝では、子どもや若者たちが、「Morigo 未来予想図」のプレゼンテーションも行った。1・8万坪の広大な敷地に、カフェやフリースクール、高齢者ホームなどを設立するビジョンを語り、地域に大きなインパクトを与えるこの計画を参列者たちと共に分かち合った。
参列者には記念品として、被災して取り壊しとなったキャンプ場本館の柱から作られた「鍋敷き」が配られた。柱の木を小さく加工して3本にまとめ色分けして作られた「鍋敷き」は、キャンプ場の精神である「神を愛し、人を愛し、自然を愛する」を表している。加工作業は全てオアシスチャペル利府キリスト教会の教会員たちによって行われたという。
一方、同教会では、このキャンプ場に関わるプロジェクトの第1期予算として、1億円の資金を募っており、現在35%ほどが集まっているという。