超教派の被災地支援ネットワークである東北ヘルプ(仙台キリスト教連合被災支援ネットワーク)が、同団体の2大任務の1つとして行って来た教会への直接支援のための献金受け入れを終了した。教会への直接支援は被災教会への緊急支援として行われて来たが、当初の役割を果たしたとして、昨年末で終了することになった。
東北ヘルプはこれまで、「教会の再建を支援すること」(ケリグマ)と、「支援のための情報を収集・整理・発信すること」(ディアコニア)の2つをその任務として行い、ケリグマは義捐金配分委員会が、ディアコニアは東北ヘルプ事務局が担当してきた。
東北ヘルプはこれまで、集まった献金を、1)募金は「祈り」のかたちとしてお送りする。従って、募金は迅速に配分すること、2)教団教派を問わずに必要なところへ届ける。ただし、規模の比較的小さな教団・教会を先行して配分すること、3)教会再建計画立案に時間がかかる場合は、可能な限りその教会の事情を理解して待つこと、を原則として支援のために用いて来た。約2年8カ月の期間で教会直接支援(ケリグマ)部門で集まった献金額は約8364万2312円に上る。
義捐金配分委員会の秋山善久委員長(日本同盟基督教団仙台のぞみ教会)は、「これらの働きのため、これまで多くの教会と個人から尊い献金が寄せられましことを、心から厚く御礼申し上げます。皆様からの献金により、教会再建の助けとなり、励ましを受け、牧会活動が前進したことでした」と、これまでの支援に感謝を示した。一方、今年以降に教会直接支援として献金された場合は、教会ネットワーク支援に当てるという。
東北ヘルプは今年3月に発足3年目になるが、昨年7月にはNPO法人化している。今回、教会への直接支援は終了するが、昨年11月の台風30号の被害に遭ったフィリピンへの募金も、国際的な連帯への応答として行っている。今月末にはフィリピンで支援団体の連絡会議が行われるが、東北ヘルプの長嶋清顧問(日本基督教団西那須野教会会員)がその立ち上げの現場に参加しており、東北ヘルプで集まった献金の中から同会議に参加する全ての団体の交通費を拠出するなど、その活動は新たな展開を見せている。