川上設計事務所所長である一級建築士の川上氏は建築家として被災地での復興支援活動に携わっており、宮城県南部復興支援ボランティアセンター(MSR+)現地員として奉仕を行っている。
MSR+は昨年6月、ウェスレアン・ホーリネス教団復興支援委員会によって設立された。教派を超えてキリスト教諸団体が継続して、復興支援のために活動している中にあって、淀橋教会が中心となって活動してきたアガペーCGNに協力するかたちで、ウェスレアン・ホーリネス教団として支援活動をどのようにするか協議し、同教団のキリスト塩釜ともしびチャペルと山形南部教会の二つの教会が中心となって、宮城県南部への支援を新たに始めることを決断して設立された。
名取市、岩沼市、亘理町、山元町と続く宮城県仙台市から南部の地域は広範囲にわたって津波の被害を受け、それぞれの地域が復興途上にある。日本国際飢餓対策機構、サマリタンズ・パース、およびクラッシュ・ジャパンがMSR+の活動に協力している。
クリスチャンの家庭に育てられ、キリストの信仰に基づいて設計事務所を営む川上氏は、現在事務所で月2回の聖書の学び会を行っているという。川上氏はキリストの信仰について「主が共にいてくださる時、不安が消えて、望みに変わっていきます。主が共にいてくださり、共に歩んでくださるとは、何と力強いことかを、経験しています。『わたしは、あなたと共にいて、あなたがどこに行くにも、あなたを守る』と言ってくださる神様に感謝いたします」と証ししている。これまで被災地の気仙沼の教会チャペルの復興やその他アガペCGNの活動に長期間携わり岩手県を中心に教会復興のための奉仕活動を行ってきた。
また同時並行してヘドロ臭を絶つために散布する有機微生物EM菌の無料散布活動にも携わっており、EM菌によって微生物が消滅し悪臭が漂うようになった土地が回復し、農業復興がなされていること、EM菌により復興した土壌で農作物を育てることによって人々の間にコミュニティが形成され、さらに自給自足の農業を超え、生産された農産物を販売する経路を整えることによって地域活性化に貢献していることなどを伝えた。MSR+の活動によって、昨年1年間で12回、600件の軒下にEM菌の散布がなされた。
津波で被害を受けた教会員が営んでいた印刷会社を半分を印刷所として復興させ、残り半分はチャペルとして活用するように改修した作業を進め、献品された木材を用いてチャペルができたことなどを証しした。
川上氏の証しを通じて被災地の復興の状況を共有した参加者らによってその後、1.苦悩する被災地の人々に生きる目的と希望が具体的に与えられるために、特に家族を失った人や孤児、高齢者・失業者のケアのために、2.災害復興作業と復興計画の具体的促進、3.生活基礎と雇用の確立、生活保障と生活計画の確立、地元産業・企業の回復のため、4.放射能汚染の不安と風評に苦しむ人々、また子供たちのため除染作業・原発事故収束作業の促進と携わっている方々のため、賠償問題の促進、5.被災地教会・キリスト者の働きと祝福、救援活動に従事する諸団体働き人の継続的な働きと祝福、6.政府・行政・所轄責任者の的確で安定的な対応と連携の促進、原発・エネルギー行政の一致と進展、7.次回超教派一致祈祷会のために共に祈る時間がもたれた。
祈祷会に参加し、前回特別メッセージを伝えた蓮根バプテスト教会(東京都板橋区)高木康俊氏は、「EMの働きを通しての素晴らしいお証をいただきました。救うことができるのは主ご自身。神の子、イエスを信じる者、多くのクリスチャンが1年半、愛をもって支援の働きをしてきました。被災地にあるその痛み、闇の力をイエス様が取り除き、被災地の痛みをご自身の力でいやしてくださいますように」と祈りを捧げた。
次回超教派一致祈祷会は10月11日午後7時から淀橋教会で行われる。本郷台キリスト教会(横浜市栄区)主任牧師池田博氏が特別メッセージを伝える予定である。一致祈祷会は誰でも自由に参加できる。