福島市渡利薬師町の「エステル祈りの家」で今月初め、福島断食祈祷院の再建・運営に向けた祈祷会が行われた。福島県内にある教会の牧師らが集まって発足した「福島断食祈祷院再建を祈る会」によるもので、再建を祈る会では祈祷院の復興を共に祈る支援者を呼び掛けている。
福島断食祈祷院は1980年初め、福島市郊外にある山の頂に超教派の断食祈祷院として建てられ、多くの祈りがささげられてきた。しかし、2011年に発生した東日本大震災による地震と原発の被害を受け、祈祷院は閉鎖を余儀なくされた。震災前、同祈祷院で行われた祈祷会には、全国から延べ3000人余りが訪れていたといい、今回、祈祷院再建のために3000人の祈りの支援者を目指している。
再建を祈る会は、エステル祈りの家の佐藤サト子牧師が代表となり、福島県内にある他の教会の牧師4人、また前の祈祷院で共に祈りをささげていた「ミッション・あどない・いるえ」代表のピーター藤正信氏の計6人が発起人となっている。今月5日に行われた第1回目の祈祷会では、「神様の御心の場所(土地・建物・駐車場)が与えられ、神の正しい時に、神の正しい方法で、神の正しい助け手・仲間が与えられますように」「3000人の祈りの支援者が与えられるように」などの祈祷課題を挙げ、共に祈った。
佐藤牧師は、放射能汚染や、福島を離れる子持ちの親たち、仮設住宅で暮らす高齢者の孤独死など、震災後3年は深い悲しみと絶望があったと話す。そのような最悪と思える状況の中で、聖書を読み祈り続けるうちに、イザヤ書58章6節と55章1節の聖句が与えられ、祈祷院の再建を祈るようになったという。そして昨年暮れに、再建を祈る会を発足させることになった。
原発事故と震災の痛みの地・福島だが、今は「遊びに来てね」と人に言えるほどになったと佐藤牧師は言う。そして、この土地に新しい断食祈祷院が再建し、そこで魂のための祈りを多くの人と共にささげ、傷ついた人たちが漏れることなく、神からの祝福を得られるようにしたいと語った。
福島断食祈祷院再建を祈る会は、毎月第1木曜日午後1時半から、エステル祈りの家で祈祷会を行っている。問い合わせは、エステル祈りの家(電話:024・522・4630)まで。また、祈祷院用の土地と建物のための献金も受け付けている。献金は、「ゆうちょ銀行 828(はちにはち)支店 普通預金 1329433 福島復興祈祷院」まで。