東日本大震災の発生から2年11カ月を迎えた11日、第35回東日本大震災3・11復興支援超教派一致祈祷会が東京都新宿区の淀橋教会で開かれ、教派を超えて集まったキリスト者が被災地の復興を祈った。祈祷会は、日本プロテスタント宣教150周年記念大会の実行委員らが中心となり、震災1カ月後の2011年4月11日から毎月開いている。
この日は、東京電力福島第1原子力発電所事故による放射能汚染で健康被害の危険にさらされている福島県内の子どもやその保護者に、一時的に放射能の影響の少ない地域で過ごす保養プログラムを提供している「ふくしまHOPEプロジェクト」代表の木田恵嗣氏(郡山キリスト福音教会牧師)が参加し、福島の現状を伝えた。
木田氏は、家庭内では放射能汚染についての世代間の意識の違い、仮設住宅では地域の少しの違いによって生じる格差が「分断」を生みだしていること、また、事故から満3年を迎えようとする中で、いまだ危険の残る放射能汚染に対する危機感の「麻痺」が被災者の間に広がっていることを報告した。
さらに、福島が抱える問題として、行政に対する不信、住宅地域における除染作業の遅れ、福島第1原子力発電所に対していまも被災者が抱える不安について説明し、福島の被災者のために祈りを求めた。
木田氏は、ルカによる福音書11章5~13節を引用し、「求める者に聖霊を与えてくださる」(13節)神に信頼し、神の前に自分の無力さやどうにもならない状況をさらけ出して願い求めることの重要性を説いた。実際に支援活動を進める中で、予期しなかった多くの協力者が与えられ、国内外にまで祈りの輪が広がっていることについて、「人間の方法とは違う、神様の方法がある」と語り、神の約束が真実であることを強調した。