インド南部タミルナド州の都市チェンナイで、約100年ぶりとされる豪雨が発生し、深刻な洪水を引き起こしている。航空機や列車などが運行できない状況で、チェンナイ周辺では6割近い地域で停電状態だという。英BBCやロイター通信などが伝えた。
BBCによると、豪雨は2日間続き、現在インド軍が数千人の救助に当たっている。タミルナド州では11月から豪雨が続いており、これまでに少なくとも188人の死者が出ている。
チェンナイ警察のJKトリパシー署長はAFP通信に対し、救助のために警官など少なくとも1万人を動員していると語った。
多くの主要道路が冠水し、学校も11月から2週間以上にわたって閉鎖されているという。チェンナイ国際空港では少なくとも滑走路1本が水没。乗客約400人が空港で足止めされ、全便が欠航した。
チェンナイはインド第4の都市で、自動車メーカーやIT企業の拠点がある。特に自動車メーカーの工場が集中しており、米フォードや独ダイムラー、仏日のルノー・日産などの工場がある。ロイター通信によると、各社は2日、従業員に自宅待機を命じた。
11月にインド南部を襲った豪雨では、タルミナド州のほか、カルナータカ州やアーンドラ・プラデーシュ州などで洪水を引き起こし、国際赤十字赤新月社連盟(IFRC)によると、200人以上が死亡、180万人以上が影響を受けた。