南米のエクアドルで2013年12月末、新婚旅行中だった人見哲生さん(当時30)と妻の真梨子さんが襲撃され、哲生さんが死亡、真梨子さんが重傷を負った事件で、エクアドル最大の都市グアヤキルの裁判所は25日、強盗殺人罪に問われていたカルロス・カンポサーノ被告に有罪判決を言い渡した。検察は禁錮35年を求刑しており、量刑は後日発表される。時事通信や共同通信が伝えた。
事件は13年12月28日夜にグアヤキル市内で発生した。新婚旅行でグアヤキルを訪れていた人見さん夫妻は、市内のレストランから宿泊先のホテルまでタクシーで帰る途中に襲われた。グアヤキルは治安が悪く、タクシーが襲われることは頻発していたという。
時事通信によると、公判は23日から3日間にわたって行われた。カンポサーノ被告は別の事件で逮捕され、捜査の過程で人見さん夫妻の襲撃への関与が明らかになったという。一方、この公判ではカンポサーノ被告は認否を明らかにしなかったという。共同通信によると、カンポサーノ被告は控訴するとみられている。
外務省の海外安全ホームページによると、エクアドルでは、幾つかの都市が「レベル1:十分注意してください」に指定されており、北部は「レベル2:不要不急の渡航は止めてください」に指定されている。グアヤキルは「レベル1」で、首都キトとともに、「強盗等の凶悪犯罪が依然として高い水準で発生し、被害は日本人を含む外国人旅行者に及んでおり、2013年12月にはグアヤキル市で日本人旅行者の死傷事件も発生しています」と、今回の事件にも言及している。
同ホームページによると、エクアドルにおける全犯罪の半数以上がキトとグアヤキルで発生している。