北アフリカ・チュニジアの首都チュニス中心部で24日夕方、大統領警護隊を乗せたバスが爆発し、少なくとも12人が死亡、16人が負傷した。チュニジアのベジ・カイドセブシ大統領は、爆発はテロによるものだと断定し、非常事態宣言を出した。ロイター通信やAP通信などが伝えた。
報道によると、現場は内務省などがあるチュニス中心部の片側3車線の主要道路。爆発を目撃した人はAP通信に対し、「悲惨な光景だった」と言い、爆発はバスの運転手側であったと話している。また、「少なくとも警護隊の5人が倒れているのを見ました」「普通の爆発ではありませんでした」などと語った。
カイドセブシ大統領は24日夜、テレビ演説で非常事態宣言を発表。チュニジアは「テロに対する戦争」の中にあるとし、国際社会の協力を呼び掛けた。
チュニジアでは、アラブの春と呼ばれる民主化運動で4年前に独裁政権が倒れた後、イスラム過激派の活動が活発化し、今年3月にはチュニスにある博物館が襲撃され、日本人を含む20人以上が犠牲となった。さらに、6月には中部の観光地スースで、外国人観光客を狙ったテロが発生。約40人が死亡した。
爆発が発生する10日前には、チュニジア政府はチュニスの警戒レベルを高め、治安部隊を増員するなどして、取り締まりを強化していた。
これまでのところ、この爆発に関する犯行声明などは出ていない。