過労により心疾患で倒れ、後遺症が残ったとして、ファミリーレストランチェーン「ジョイフル」(本社:大分市)の元店長の男性(38)が11日、同社に約8100万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。国内主要紙が伝えた。
報道によると、男性は2005年にジョイフルに入社し、07年から大阪府内の店舗で店長を務めるようにた。しかし、13年7月に心室細動で倒れ、一時意識不明に。男性は手術を受け、14年4月に復職したが、同年10月に労災に認定され、退職した。現在も体内に医療機器を埋め込んでいるという。
特に、心疾患で倒れる直前の約3カ月間は、突然いなくなった深夜勤務のアルバイトの代わりに働くなどし、推計で月平均120時間以上の残業をした。この期間は休日も全くなかったという。男性は、こうした長時間労働による過労が心疾患の原因だとし、同社が安全配慮義務を怠ったと訴えている。
一方、ジョイフルは、訴状が届いていないとし、コメントできないとしている。
ジョイフルは、九州を中心に各地でファミリーレストランをチェーン展開しており、ジョイフルのホームページの情報によると、現在は全国に763店舗ある。
ファミリーレストランの過労問題では、「ガスト」や「バーミヤン」などを展開する大手の「すかいらーく」(東京都武蔵野市)で、04年と07年、それぞれ店長が長時間労働が原因で過労死する事件が起きている。