上智大学などを運営する学校法人上智学院(東京都千代田区)は21日、同じカトリック教会イエズス会系の4つの学校法人と来年4月1日付で、法人合併することを文部科学大臣より認可されたと発表した。
上智学院と合併するのは、栄光学園(神奈川県鎌倉市)、六甲学院(神戸市)、広島学院(広島市)、泰星学園(福岡市)の4法人。上智学院と4法人は昨年10月23日に、法人合併の「基本合意に関する協定書」を締結し、今年3月27日に合併契約を締結。その後、文部科学大臣に法人合併認可申請書を提出していた。今回、法人合併が認可されたことにより、来年4月1日付で新たな学校法人「上智学院」が発足することなる。
上智学院によると、合併後も各4法人の中高一貫校は上智大学の付属校とはせず、それぞれの教育方針を継続し、各校の歴史と地域性を配慮し、経営も独立採算を維持する。また、法人の名称は「上智学院」に統一するが、各校の名称は変えない。今回の合併で、大学教育と中学・高校教育のより緊密な連携を行い、「イエズス会教育の深化」「幅広い教育ネットワークの構築」「次世代の担い手の養成」の実現を目指すという。
朝日新聞は、「各学校法人の経営に中心的にかかわるカトリック教会イエズス会の会員が減ってきたことから、合併によって5つの法人が協力して人的支援を行うことになった」という上智学院の担当者の話を伝え、「4つの高校から上智大学に入学する生徒の『囲い込み』などを意図するものではない」とする上智学院側の話を報じている。
キリスト教系の学校法人の合併は、今年6月にも南山学園(名古屋市)と聖園学院(神奈川県藤沢市)が合併契約書に調印しており、その他にも、目黒星美学園(東京都目黒区)が同じカトリック修道会を母体とする星美学園(同北区)との合併手続きを現在進めている。ただ、キリスト教系以外の学校法人も含め、これまで行われてきた合併のほとんどは2法人の合併で、今回のような大規模な合併は非常に珍しいという。
上智学院は、上智大学、同短期大学部、上智社会福祉専門学校、聖母看護学校を運営しているが、付属の中学校・高校はない。同学院と合併する4法人は、いずれも中高一貫校を運営しており、泰星学園が運営する上智福岡中学校(共学)以外は男子校で、いずれも地元では有名な進学校。それぞれの歴史も古く、六甲学院は1937年にイエズス会が日本で初めて設立した男子校だ。