米国聖書協会は今月初め、2015年の「聖書状況報告」を発表した。報告書は、多くの米国人が、聖書は絶対的に信頼でき、かつ神の霊感によって書かれたが、文字通りに解釈してはならない箇所も含まれている、と考えていることを明らかにした。
この報告書は、米調査会社「バーナグループ」の協力でまとめられたもので、全米の成人を対象に電話とオンラインで調査が行われた。調査項目は、米国人の聖書へ対する認識や、米社会における聖書の浸透度、聖書をどの程度自分の人生を関与させているか、聖書的知識、モラルの低下と社会的影響、NPO団体への貢献度などに及んだ。
この調査の中の一つでは、聖書について異なる5つの説明文が提示され、選択するというものがあり、「多くの成人が、聖書は文字通りのものより、(ある象徴をもって)神の霊感によって書かれていると信じている」ことが明らかになった。
報告書は、「全体の3分の1の人たちは、聖書は神の霊感に基づいて書かれた言葉であり、偽りがないが、中には象徴的な箇所も含まれていると考えている」と報告した。こう答えた人の割合は33パーセントに及び、前年よりも3ポイント増加した。
一方、聖書は神の実際の言葉であり、文字通りに解釈されるべきであると回答した人は22パーセントで、2番目に多い見解となった。このほぼ半数となる13パーセントは、聖書は神の霊感を受けた言葉であるが、いくつか事実と異なる箇所もあると回答した。
しかしながら、他の多くの人は、聖書をただ単に知識を得るための人間の教えとして見ている。
「19パーセントは、聖書に書かれていることに強い懐疑心を示し、聖書は他の本と変わらず、物語と助言が書かれた人間による知識本などのように考えている。最後の選択肢を選んだ人--聖書は神の霊感によって書かれてはおらず、聖書の書簡それぞれの著書たちが、神の原則や方法について、各自が理解したことをただ書きつづったものと考える人は、11パーセントである」と、報告書はまとめている。
回答者の2パーセントは、聖書に対する自分の見解への適当な説明を、選択肢の中から見つけることができなかったと答えた。
2000年代に成人を迎える「ミレニアル世代」(1980年代以降に生まれた人)は、聖書は数ある教えの本の中の一冊に過ぎないと考えている割合が高かった一方で、年配者は、聖書は文字通り神の言葉であると信じている割合が高かった。
また、聖書を読む人の多くが、欽定訳聖書(KJV)を好んでいるという結果も出た。