米リーダーシップ・ネットワークによる調査で、米南部のメガチャーチの牧師の給料が北米内の他のどの地域よりも高いことが分かった。また、ネットを経由した献金の普及率は20%に及び、ネットによる献金を採用している教会の方が献金率も高くなる傾向が明らかになった。
リーダーシップ・ネットワークの代表であるウォレン・バード氏は、南部では牧師は常に「権威ある地位」を認められており、そのため他の地域より給料がかなり良いのではないかとみている。
特に「ディープ・サウス(南部でも特に保守的的な地域)」の牧師の給料は、同地域の住民の全米平均以下の収入と比べると対照的だ。アラバマ州、ジョージア州、サウスカロライナ州、ルイジアナ州、ミシシッピ州の年間平均賃金は、全米平均の4万9804ドル(約544万円)よりも低い。南部に続いて牧師の給料が高いのは、北東部、西部・中西部、最後にカナダと続く。
また全体として調査で分かったことは、牧師の給料を決める最大要因は教会の規模であり、地域、人種、牧師の年齢、教会の敷地の数よりも影響が大きいということだ。
さらに調査では、5つに1つの教会がネットで献金をする選択肢を設けているという新しい傾向も分かった。これにより今の教会は、現金を持たずにクレジットカードで支払いをする若者からの献金を受けやすくなっていると言える。
バード氏によれば、ネットによる献金が、献金の方法としてますます主流になりつつあるという。
「ネットの献金はここ7年間でますます普通になってきています」とバード氏。最近彼は、ネットによる献金が80パーセントを占めるオーストラリアの教会を訪れたばかりだ。米国でネットによる献金が最も多いのは、メリーランド州のあるメガチャーチで、40パーセントを占めるという。
調査対象となった教会全てにおいて、献金の方法は複数設けられている。大規模教会の内81パーセントがネットによる献金という選択肢を提示している。37パーセントが教会ロビーに献金箱を設置しており、25パーセントが教会ロビーに売店を設置している。調査では、ネットの献金を認めている教会の方が、そうでない教会よりも献金率が高いことも分かった。
また今回の調査では人口分布の調査も行なわれ、メガチャーチの内80パーセントにおいて圧倒的に白人が多く、多人種で構成されたメガチャーチは20パーセントに過ぎなかった。
リーダーシップ・ネットワークは、テキサス州ダラス市に拠点を置く宗教シンクタンク。今回は、教会と宣教団体を対象としたエグゼクティブ・サーチを行なうバンダーブローメン・サーチ・グループ(同州ヒューストン市)と共同で調査を行った。調査対象となったのは、北米にある727の教会で、その規模は信者数1000人から3万人とさまざまであった。