ファレル・ウィリアムスの人気曲「Happy」に合わせて東北各地の人々が踊る動画が、東日本大震災から4年目を迎える今年も動画サイト「ユーチューブ」で公開されている。ハフィントンポストが報じている。
ファレル・ウィリアムスは米国の音楽プロデューサーであり、歌手。世界で最も権威ある音楽賞といわれる「グラミー賞」を昨年、今年と2年連続で受賞。代表曲の「Happy」はアニメ映画『怪盗グルーのミニオン危機一髪』(原題:Despicable Me 2、2013年)の劇中歌として知られる。
主人公の怪盗グルーがヒロインに恋心を告白しようと浮かれて踊る場面で使用されたこの曲は、その後世界中で人気を博し、10週連続全米1位、22カ国でヒットチャート1位を記録。この曲のミュージックビデオは「世界初の24時間のミュージックビデオ」と称し、約4分の同曲をリピートし、実際に一昼夜24時間が展開される。ロサンゼルス近郊の様々な人が出演し、ファレル自身は24時間全体の内、それぞれの1時間の開始時点に登場。映像の中には怪盗グルーに出演した声優や、マスコットキャラクターのミニオンたちも一緒になって踊るなど、コミカルながらも強いメッセージを持ったものになっている。
様々な人が曲に合わせて踊るこのミュージックビデオは、2014年4月までにユーチューブでの再生回数が2億回を超え、世界各地でトリビュートバージョンが作られるなど、ブームを巻き起こした。そのムーブメントは昨年ガザやエルサレム、福島第一原発事故の放射能汚染のもとで暮らす福島などでも起き、今年のグラミー賞授賞式ではファレル本人が黒人の人権に対するメッセージとしてパフォーマンスを行い、困難な状況でも明るく生きる姿を世界にアピールした。
同曲は日本でも昨年5月にファレルがテレビ朝日系の音楽番組「ミュージックステーション」で披露したり、日本テレビ系バラエティ番組「ザ!世界仰天ニュース」のエンディングテーマにも起用されているなど、その人気がうかがえる。
ハフィントンポストの記事では3月11日にあわせて宮城県の石巻市や東松島市、南三陸町、岩手県の陸前高田市、福島県の南相馬市と郡山市の動画を紹介。「東日本大震災から4年目を迎えた3月11日こそ、笑顔で踊る被災地の人々の動画を見て元気を取り戻したい」としている。
今日は日本各地で黙祷をしようというイベントがさまざまな形で企画されている。しかし聖書には「あなたは祈る時、自分の部屋に入り、戸を閉じて、隠れた所においでになるあなたの父に祈りなさい。すると、隠れた事を見ておられるあなたの父は、報いてくださるであろう」(マタイ6:6)と書かれている。今日、黙祷することは無意味ではない。しかし本気で風化をしないように考えたり、復興を願うなら、今日だけでなく常日頃から祈り続け、失ったものではなくこの先に待っている「喜び(=Happy)」を見て期待する空気になればと願う。
■「Happy」宮城県石巻市バージョン