新垣牧師夫妻の願いは、中川さんを通して建てられた祈祷院が、もっと用いられることである。達也牧師は、天のお父さん(神様)が、なんでも備えて下さると自慢する。たとえば・・・。
松山から沖縄までの直行便就航
達也牧師が結婚して岩松に赴任した直後、最寄りの松山空港から沖縄那覇空港までの直行便が就航した。これは、達也牧師が故郷に帰省しやすいようにとの、天の父のご配慮なのである。
南楽園、完成
教会から車で30分ほどのところに、大きな日本庭園ができた。周囲の山々を借景とし、四季折々に咲く花は、本当に美しい。茶店や喫茶店、宇和島の名物料理を食べさせる大きなレストランもある。
達也牧師によると、これは、修養会などで教会に集う人々が、しばし南楽園へ行き、神様が作られた自然の素晴らしさや花の愛らしさを満喫するため、神様がプレゼントしてくださったのである。
大型レジャー施設
これまた、CSキャンプの子どもたちが、温水やジャンボすべり台など、とりどりのプールで楽しめるようにと、神様が行政に働きかけられて作ってくださったのである。
温泉施設
車で5分くらいのところに、大浴場からサウナ、露天風呂まで楽しめる温泉施設が作られた。子どものための、小ぶりの温水プールもある。祈祷院に来る方が、祈りの合間に散歩がてら行って汗を流し、さっぱりして帰ってきては、また神様と対面している。
これも天の父が教会のために作ってくださったのであるが、一般の人々にも好評で、よく利用されている。
こうして達也牧師に鼻高々に自慢されると、「なるほど! 天の父は、なんと良くしてくださること」と思えてくるから不思議だ。
岩松キリスト教会のある津島町は、山・川・海に恵まれた地形で、特に、瀬戸内海と太平洋が混じり合い、新鮮で多彩な魚が捕れる。
ひとつお勧めしたい店がある。教会から10分ほど車を走らせたところにある、カフェ「磯」だ。三角形の店内は、壁にぎっしり魚拓が貼られ、週刊誌やマンガと共に釣りの雑誌のバックナンバーが几帳面に並べられている。店名からもわかるように、マスターが釣り大好きで、客も釣り人が多く、マスターと、釣果や潮の具合、釣り舟のプランなどで盛り上がっている。
そういえばあのマスター、なんとかいうおさかなに似ていた。・・・何だったかな~?オ・・・オコ・・・オコゼ? 何だったかなぁ? ああ、もう何年も行ってないので忘れてしまった。実際に行かれた方は「なるほど」と納得されるだろう。奥さまは対照的に、小柄で楚々としてよく働く方だった。
肝心なのは、味。磯は雰囲気もいいけれど、出される料理の味が良い。食後のコーヒーは、マスターのご自慢。カウンターの向こう側の棚は、100以上の小さな正方形に仕切られていて、種類・形・色、すべて違うコーヒーカップがびっしり収められている。客は好みのカップと豆をリクエストできる。
中川店長はこのお店がごひいきだった。教会やお店のお客様は、たいてい「磯」に案内されていた。かの夏休み、TCCのかおちゃん、さっちゃん、しらちゃんも、ここでごちそうになったと記憶している。
岩松には、しゃれた雑貨屋さんやスウィーツのお店もあり、若い女性も楽しめそうだ。瀬戸内海に、しまなみ海道、瀬戸大橋、鳴門大橋がかかり、四国のハイウェイも整備されて、岩松がぐんと近くなった。
由子さんの結婚後も、神様の奇跡はやまない。
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井原博子(いはら・ひろこ)
1955年、愛媛県伊予三島(現四国中央市)生まれ。大学入試に大失敗し、これだけは嫌だと思っていた「地元で就職」の道をたどる羽目に。泣く泣く入社した会社の本棚にあった三浦綾子の『道ありき』を読み、強い力に引き寄せられるようにして近くのキリスト教会に導かれ、間もなく洗礼を受けた。「イエス様のために働きたい」という思いが4年がかりで育ち、東京基督教短期大学に入学。卒業後は信徒伝道者として働き、当時京都にあった宣教師訓練センターでの訓練と学びを経て、88年に結婚。二人の息子を授かる。現在は、四国中央市にある土居キリスト教会で協力牧師として働き、牧師、主婦、母親として奔走する日々を送る。趣味は書くこと。