4. 信仰の継承
国際ジャーナリストのロバートソン黎子(れいこ)氏が書いておられました。米国の親の子育ての根本方針は「自主独立させる」ことだそうです。出産時から、その精神を母子共々に植え付け、学校教育においては、日本式記憶教育一辺倒ではなく、愛と規律に則って、記憶をベースに考える力を養います。子どもには間違いを犯す自由があり、子どもは人生の脚本を自分で書いているのだから、親は出しゃばってはならないと考えます。
間違いを犯すことは恥とはなりません。子どもに間違いをどう捉え、今後にどう 生かすかを身につけさせることが重要なのです。親が子どもを守ることには限界があります。子どもの自主独立のために、日本ではまず親の子離れが必要なのではないでしょうか。
聖書の中の父親はどうか、ダビデに学びましょう。
親がわが子の幸せを願い、できるだけのことをしてやろうとするのは、古今東西同じようです。ダビデの父エッサイは、戦場にいる息子たちが少しでも有利な扱いを受けるために、千人隊長への贈り物をダビデに届けさせました。
さて、ダビデは死ぬ日が近づいたとき、息子ソロモンにメッセージを告げました。「強く、男らしくありなさい」(1列王記2:2)と。そして、ダビデは具体的に次のことをしました。
① 心がけを教える
「全き心と喜ばしい心持ちをもって神に仕えなさい」( 1歴代誌28:9)。「全き心」とは、神の命令とさとしと定めを守り行い、仕事を成し遂げることです。
② 夢、ビジョンを伝える
「今、心に留めなさい。主は聖所となる宮を建てさせるため、あなたを選ばれた。勇気を出して実行しなさい」(1歴代誌28:10)。わが子に、父親自身の夢、ビジョンを語っていますか。また、父親の願いではなくて、主がわが子にどのような将来を計画なさっているかを祈り聞き、伝えていますか。
③ 励ましを与える
「強く、雄々しく、事を成し遂げなさい。恐れてはならない。おののいてはならない。神である主、私の神が、あなたとともにおられるのだからーー。主は、あなたを見放さず、あなたを見捨てず、主の宮の奉仕のすべての仕事を完成させてくださる」(1歴代誌28:20)
④ 人材(人財)を残す
父ダビデの生き様や親交が、息子ソロモンにかけがえのない「人財」を残しました(1歴代誌28:21、29:9、1列王記5:1)。
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前田基子(まえた・もとこ)
イエス・キリスト緑の牧場教会(東京)で救われ、玉野聖約基督教会(岡山)から献身。生駒聖書学院卒。生駒聖書学院副院長。エリムキリスト教会牧師。ABCラジオ放送「希望の声」・テレホンメッセージ「希望の声」(074・373・3740:ゼロナシ・ミナサン・ミナヨレ)牧師。