最近、姉によく言われます。“だから、それってな~に?”“あれ、これ、それ”を頻繁に口にするようになると、老化要注意ですって!今回は、麗しい人間関係のための必須アイテム「コミュニケーション」について。
「神である主は、人に命じて仰せられた。『あなたは、園のどの木からでも思いのまま食べてよい。しかし、善悪の知識の木からは取って食べてはならない。それを取って食べるその時、あなたは必ず死ぬ。』その後、神である主は仰せられた。『人が、ひとりでいるのは良くない。わたしは彼のために、彼にふさわしい助け手を造ろう』」(創2:16〜18)
神様は生死に関わる重大な情報を、先ずアダムに伝えられました。お勧めではなく、命令のかたちで。アダムは正しくキャッチしました。実は、もう一人正しくキャッチしていた者がいました。そう、悪魔サタンです。だから、エバを巧みに誘惑できたのです。
さて、エバはどうだったでしょうか。エバはアダムから聞いていました。ところが、蛇に「神は、ほんとうに言われたのですか」と問い掛けられると、いとも簡単に確信がぐらつき、罪を犯してしまいました。
罪とは「神様に対する故意の反逆」を言いますが、罪にもいろいろな種類があります。その一つに「うかつに聞く」という罪があります。エバが、アダムの伝える神様の命令をいい加減に聞いていたがために、全人類に死とあらゆる不幸がもたらされたのです。
アダムとエバはカインとアベルに、神様の命令と、命令に背いた自分たちに神様が皮衣を着せてくださったことを伝えました。親としてなすべき責務を果たしました。
「ある時期になって、カインは、地の作物から主へのささげ物を持って来た。また、アベルは彼の羊の初子の中から、それも最良のものを、それも自分自身で、持って来た。主は、アベルとそのささげ物とに目を留められた」(創4:3、4)
子どもはいつか、自分で判断し決断し生きる自立の時が来ます。どう自立するかは、それまでに何を聞き、何を見てきたかが大きく影響します。アベルは親の語る真理を「うかつに聞く」ことなく、生きる指針としました。しかし、カインは「うかつに聞き」流し、自分勝手な生き方を選び、人類最初の殺人者となりました。
現代、犯罪の弱年齢化が進んでいます。事件の度ごとに、親の責任が厳しく追及されます。親は子にしっかり真理を伝える義務があります。しかし伝えた以上は、子ども本人の責任であり、罪の刈り取りもまた子ども本人が負うべきものでありましょう。
“涙の母の祈りは聞かれる”と言われます。私たちの至らなさ、弱さをカバーして余りある主の恵みにすがり、恵みを語り伝え、恵みに生き生かされることを心から願います。
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前田基子(まえた・もとこ)
イエス・キリスト緑の牧場教会(東京)で救われ、玉野聖約基督教会(岡山)から献身。生駒聖書学院卒。生駒聖書学院副院長。エリムキリスト教会牧師。ABCラジオ放送「希望の声」・テレホンメッセージ「希望の声」(074・373・3740:ゼロナシ・ミナサン・ミナヨレ)牧師。