【CJC=東京】韓国通信社「聯合ニュース」が6日、教皇訪問の日程を詳細に報じた。
教皇の韓国訪問は1989年のヨハネ・パウロ2世以来、25年ぶり。昨年3月の教皇就任前から貧しい社会的弱者に寄り添い、正義を実現しようとしてきた教皇が、世界で唯一の分断国であり、大きな社会的葛藤を抱える韓国でどんなメッセージを伝えるのかが最大の関心を集めている、と「聯合ニュース」。
教皇は空港に到着後、宿泊所となるソウルの青瓦台(大統領府)付近のローマ教皇庁大使館に向かう。84年と89年にヨハネ・パウロ2世が来韓した時と同じ部屋に泊まることになる。
午後には青瓦台を訪れ、公式歓迎式に出席。朴槿恵大統領と会談した後、官僚らを前に演説を行う。
続いてソウル市広津区の韓国天主教(カトリック)中央協議会へ移動し、韓国司教団や職員らと会い、演説する。教皇は「司教らと会うには彼らが働いている場所に行くべきだ」と述べ、都心から離れた中央協議会での面会を決めたという。
翌15日は韓国の光復節(日本による植民地支配からの独立記念日)であると同時にカトリックの聖母被昇天の大祝日に当たる。青瓦台が提供する専用ヘリで早朝に中部の忠清南道・大田地域に移動し、1日を過ごす。
午前10時半からは大田のワールドカップ競技場で聖母被昇天の大祝日ミサを執り行う。終了後には約300人の死者・行方不明者を出した旅客船セウォル号沈没事故の遺族や救出された生徒と面会し、悲しみに寄り添う予定。
昼には世宗市にある大田カトリック大で、アジアの青年信者が集う「第6回アジア青年大会」に参加する各国の青年代表と昼食を交えた懇談会を行う。韓国からは「アジア青年大会」の広報大使を務める歌手のBoAと20代の女性信者が教皇とテーブルを共にする。
午後には忠清南道・唐津のソルメ聖地で「アジア青年大会」の参加者と会い、若者の悩みを聞き、それぞれの人生と教会の刷新、社会の改革のためにすべきことなどについて対談する。
16日は殉教者124人の列福式。教皇は午前8時55分、韓国カトリック教会の最大の殉教地であるソウル・西小門の殉教聖地を訪れ、参拝する。その後、ソウル市庁前から光化門まで1・2キロをパレードし、光化門広場の北端に設置された祭壇で列福式を司式する。
2時間20分ほどの列福式を終えた後、忠清北道・陰城の障害者療養施設を訪れ、障害者らと韓国の修道者約4000人、信徒使徒職団体協議会の代表と相次ぎ面会する。
17日は大半を忠清南道・瑞山の海美で過ごす。海美殉教聖地の聖堂でアジアの司教らと会い昼食を共にし、午後には近隣にある朝鮮王朝時代の城郭「海美邑城」で「アジア青年大会」閉幕ミサを執り行う。
最終日18日には、ソウルの明洞聖堂で「朝鮮半島の平和と和解のためのミサ」を行い、平和を願うメッセージを発信する。
ミサには旧日本軍の慰安婦被害者も招待されている。セウォル号沈没事故の遺族らと同様、慰安婦被害者も別途に教皇と面会する可能性もある。
教皇は、ミサに先立ち韓国7大宗派の指導者とも面会する。
教皇はミサを終えた後、午後0時45分、ソウル空港で歓送式に出席し、最後のメッセージを出してから韓国を出発する。