【CJC=東京】4月20日、今年は世界の教会が復活祭(イースター、パスカ)を祝った。復活祭は「春分の後の満月の直後の日曜日」に祝うとされているが、春分をユリウス暦は3月21日、グレゴリオ暦では3月19日から22日までとしており、さらに満月の日も年々移動するので、ユリウス暦を採用している東方教会とグレゴリオ暦の西方教会が同じ日に復活祭を祝うのは3年ぶり。次回も3年後の2017年だが、その次は2025年になる。
イエス・キリストが十字架に掛かり、昇天したとされる聖地エルサレムには、今年も世界各地から巡礼数千人が集まった。4月20日、聖墳墓教会のミサはラテン典礼のフアド・トワル総司教が司式した。
イエス誕生の地とされるパレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区のベツレヘムでも生誕教会に信者が集まり、蝋燭に点火、祈りを捧げた。
170万人とイスラム教徒が圧倒的なガザ地区でも3000人足らずのキリスト者が復活祭を祝った。
中東全域に影響を与える紛争激化の中で、聖地のキリスト者は出国などで減少が止まらない。
教皇フランシスコは19日夜、復活徹夜祭をバチカンのサンピエトロ大聖堂で行った。明けて20日、復活の大祝日の朝のミサをサンピエトロ広場で行った。
サンピエトロ広場には、教皇のメッセージを聞こうと、世界中の信者ら約15万人が詰めかけた。
同日正午、教皇はサンピエトロ大聖堂の中央バルコニーから、ローマと世界に向けたメッセージと祝福、「ウルビ・エト・オルビ」を述べた。
教皇は、混迷するウクライナ情勢について、「団結と対話の精神で、あらゆる当事者が暴力を避ける努力をするように」と、国際社会に平和的な解決を呼びかけた。また、政府軍と反体制派の内戦が3年以上続くシリア情勢に関して「紛争被害者が人道支援を受け取れるようにし、双方が無防備な人々への武力行使をやめ、勇気を持って和平交渉に臨んでほしい」と求めた。