【CJC=東京】教皇フランシスコは復活祭の4月20日正午、バチカンのサンピエトロ大聖堂中央バルコニーから、ローマと世界に向けたメッセージと祝福、「ウルビ・エト・オルビ」を述べた。バチカン放送(日本語電子版)によると、教皇の復活祭メッセージは次の通り。
親愛なる兄弟姉妹の皆さん、聖なる復活祭、おめでとうございます!
世界中に散らばった教会に、天使が婦人たちに告げた言葉が響きわたります。「恐れることはない。あなたたちが十字架につけられたイエスを探していることは知っている。イエスはここにはおられない。復活されたのだ。…来て、遺体の置いてあった場所を見なさい」(マタイ28・5〜6)。 「恐れることはない!主は復活された!」
これは福音書の頂点、最高の良き知らせです。十字架につけられたイエスは、復活されました!この出来事はわたしたちの信仰と希望の基礎です。もし、キリストが復活されなかったならば、キリスト教はその価値を失うでしょう。教会のすべてのミッションはその活力を失うでしょう。なぜならそこから教会は出発し、常に再出発するからです。
キリスト教徒が世界にもたらすメッセージ、それは、愛の受肉であるイエスは、わたしたちの罪のために十字架上で死なれたが、神なる御父はイエスを復活させ、命と死の主とされた、ということです。イエスにおいて、愛は憎しみに、憐れみは罪に、善は悪に、真理は偽りに、生は死に打ち勝ちました。
それゆえに、わたしたちは皆に告げます。「来て、見なさい!」と。弱さや罪や死にしるされたあらゆる人間的状況において、この良き知らせは単なる言葉ではなく、無償で誠実な愛の証しです。それは自分自身の外に出て他と出会うこと、人生に傷ついた人に寄添うこと、必要な物に事欠く人と分け合うこと、病気の人、お年寄り、疎外された人の隣に留まることです…。「来て、見なさい!」愛はよ
り強く、愛は命を与え、愛は砂漠に希望の花を咲かせます。
この喜ばしい確信を胸に、わたしたちは今日、復活の主に祈り求めます!
皆があなたと出会えるように、あなたを探すのを助けてください。わたしたちには御父がおられ、みなし子になることはありません。わたしたちはあなたを愛し、礼拝します。
飢えの苦しみを撲滅できるよう助けてください。飢えは紛争によって、またわたしたちもしばしばその責任を負うように多大な無駄によって深刻化します。
無防備な人々、特に子どもたち、女性、お年寄りを守ることができるよう助けてください。彼らは時に搾取され、見棄てられています。
ギニア・コナクリ、シェラレオーネ、リベリアにおけるエボラ熱や多くの疾病に苦しむ兄弟たちの治療を助けてください。疾病は無関心や極度の貧困にもよっ
て広がります。
世界の各地で拉致された多くの人々、司祭や信者たちのように、愛する人たちから不当に引き離され、今日、復活祭を親しい人たちと祝うことのできない人々を慰めてください。
より良い未来を求め、祖国を離れて移民した人々を慰めてください。彼らが尊厳ある生活をし、自分の宗教を自由に信じることができますように。
栄光のイエスよ、あなたに祈ります。すべての戦争、大小、新旧のすべての敵対を止めてください!
シリアのためにあなたに願います。愛するシリアで、紛争で苦しむ人々が必要な人道的援助を受け、対立する双方が特に無防備の市民に死を撒き散らすことがないよう武器を納め、これほどにも待たれる平和交渉への勇気を持つことができますように。
栄光のイエスよ、イラクにおける兄弟間の暴力の犠牲者を慰めてくださるよう、イスラエルとパレスチナの和平交渉の再開への希望を支えてくださるよう、あなたに頼みます。
中央アフリカ共和国の衝突を終わらせ、ナイジェリアのいくつかの地域での残忍なテロや、南スーダンでの暴力を止めることができるよう、あなたに祈り求めます。
ベネズエラにおいて兄弟間の和解と平和が行なわれるよう、あなたに願います。
あなたの復活を、今年はユリウス暦に従う教会と一緒に祝います。ウクライナの平和構築への取り組みを照らし、導くよう、あなたに祈ります。すべての当事者が、国際社会の支援のもと、暴力を回避するあらゆる努力に着手し、国の未来を一致と対話の精神で築いていくことができますように。彼らが兄弟として、今日、共にキリストの復活を告げられますように。
地上のすべての民のためにあなたに祈ります。主よ、あなたは死に打ち勝ちました、わたしたちにあなたの命を、あなたの平和をお与えください!
「キリストは復活されました。来て、見なさい!」
親愛なる兄弟姉妹の皆さん、復活祭おめでとうございます!