【CJC=東京】米キリスト教専門アシスト通信は、中国当局が、この所急成長している非公認「地下教会」を「カルト」と決め付け弾圧に乗り出した模様と報じている。
米国に本拠を置くキリスト教抑圧監視団体『対華援助協会』によると、中国共産党政治局が12月1日、「抑止作戦」を極秘指示した。2011年3月まで、本土教会の中では最大部分の抑圧に力を入れると見られる。
関係当局は、全土の「家の教会」に関する情報を集め、上長に報告するよう求められているという。教会指導者や有力信徒のブラックリストも作成されるようだ。
「抑止作戦」は予備的報告段階では、人権擁護者を広範に抑圧するものとし、すでに20人が逮捕され、有罪判決を受けた、と『対華援助協会』は指摘している。
ただ同協会が得た情報によると、今回の抑圧の狙いは「家の教会」のネットワークと会員に絞られているようだ。
有力な家の教会指導者への迫害、バチカン(ローマ教皇庁)の意向を無視しての司教叙階、同協会ウエブサイトへのサイバー攻撃など、最近の政府の行動は、抑圧の前兆だったとも見られる。
『対華援助協会』はこの所、北京政府が「家の教会」運動に行なってきた強烈な敵対行動を控えるようになった、と見ていた。中国内外のキリスト者の中にも非公認の教会が、公認の三自愛国運動に加入しなくても認可されるのではないか、との期待が高まっていた。
しかし同協会は、今回の指示で政府の態度が再び硬化したことを示すと述べている。
当局が「家の教会」を「カルト」とする理由を、中国のキリスト教化を進め、中国の全教会の一致を求め、世界の教会との一致を推進、政府との対話を求めている点にある、と同協会は見ている。
中国では、一度「カルト」と指定された組織なりメンバーが、指定を解除されることはまずないと見られる。仮に解除されたとしても、市民の反感を消すのは容易ではなく、生活にも困難が残る。
気功法の団体『法輪功』も学習者が爆発的に増えて、中国政府は1999年に「カルト」として厳しい抑圧姿勢に出ている。