イエス・キリストが数々の奇跡を行ったイスラエル北部のガリラヤ湖について同国政府はこのほど、乱獲や汚染により急減している魚資源を維持し、生態系のバランスを回復するため2年間の禁漁を決定した。時事通信が伝えた。
同国農業省報道官は「乱獲や汚染などにより過去10年間で魚の量は数十%減少している」と指摘。湖水の汚染に加え、違法な網を使っての稚魚捕獲や、魚をエサにする渡り鳥の増加などの要因も重なり、ガリラヤ湖の魚資源は危機的な水準に落ち込んでいるという。
キリストゆかりの地では、洗礼者ヨハネによる洗礼が行われた場所として知られるヨルダン川も、過剰な取水と深刻な汚染に悩まされており、今月に入って環境保護団体「地球の友中東(FoEME)」が発表した報告書によると、何らかの集中的な措置を講じなければ2011年末までに枯渇してしまう可能性があるという。