インドネシアから輸入した聖書1万5000冊が、神が「アラー」と翻訳されていたことを理由にマレーシア当局に押収されていたことが、同国の教会指導者の話で29日までにわかった。AFP通信が伝えた。マレーシアでは、イスラム教徒以外が「アラー」という言葉を使うことを禁止されている。
AFP通信に対し聖書が押収されたことを語ったのは、マレーシア教会協議会(CCM)のハーマン・シャストリ総幹事。シャストリ氏によると、今年9月、ボルネオ島サラワク州の空港でインドネシア語の聖書1万冊が押収され、今年3月にも同様に5000冊が押収されたという。
ジャストリ氏は、「教会が聖書を使うのであり、聖書は礼拝者の生活の一部。没収される理由はどこにもない」と語る。イスラム教関係者からは、聖書で「アラー」という言葉を使用するのは、イスラム教徒を改宗させる目的ではないかという疑念の声が出ているが、ジャストリ氏は「聖書は教会で使用するものだ」と退けた。
マレーシアでは、全人口約2700万人に対して、約6割がイスラム教徒とされている。