立教大学(東京都豊島区)と酪農学園大学(北海道江別市)は20日、環境学分野における相互協力・連携に関する協定を締結した。
立教大学は環境学部を、酪農学園大学は農食環境学群に農環境情報学類を、共に2026年4月に設置・開設することを予定している。いずれも文部科学省の大学・高専機能強化支援事業に選定されており、同事業における連協強化や、両大が共にキリスト教主義を掲げている共通点を踏まえ、協定締結に至ったという。
立教大学は東京副都心に立地する一方、酪農学園大学は札幌市中心部から車で30分ほどの距離にありながら、広大なフィールドを有する。両大は、それぞれが環境学分野において相互補完的な役割を期待できるとし、研究・教育面での多彩な連携促進の可能性を検討するとしている。
立教大学の池袋キャンパスで行われた調印式には、同大の西原廉太総長、二ノ宮リムさち環境学部設置準備室教授、酪農学園大学の岩野英知学長、小糸健太郎農食環境学群長らが出席した。
協定締結を受け、西原氏は「150年の間、キリスト教に基づくリベラルアーツ教育を丁寧に行ってきた首都圏に在する立教大学と、広大なフィールドを有される酪農学園大学の共振は、本学が今後、推進する環境学分野のみならず、これまでの日本の高等教育でも稀有な化学反応をもたらすものと確信しています」と語った。
また、岩野氏は「今後、世界的な人口増加と地方都市の急激な人口減少に伴い、食糧問題やインフラの整備、少子高齢化など、多様な課題が予想されます。その解決には、技術の発展だけでは限界があり、異なる立場の人々が対話し、相互理解を深める『ダイアローグ(討論や議論ではなく対話)』が重要です」とし、両大の学生が交流を通し、社会課題の本質に向き合いながら成長することを期待すると述べた。