英国福音同盟(EA)は最近、この1年に個人会員が5千人以上増え、2万3千人を超えたことを明らかにした。目標の3千人を大きく上回る数字で、1990年代以降で最大の増加となった。英国内で福音主義への関心が再び高まっていることを反映したものとする見方もあり、EAは英国社会における議論や政策提言で影響力を強めている。
EAは1846年、800人の福音派指導者がロンドンに集まり、福音派の団結を促進する目的で設立された。以来約180年にわたって、教会や個々のキリスト教徒が、英国社会の中でイエス・キリストのメッセージを共有できるよう支援するとともに、聖書的価値観を擁護してきた。
英国の福音派信者の約4分の1は有色人種とされる。そうした中、EAは、教派的にさまざまな流れを組む教会や団体が存在する幅広い福音派のコミュニティーの声を代表し、設立当初の使命を果たし続けている。
伝道者でもあるEAのガビン・カルバー最高責任者(CEO)は、「5千人という数字は、私たちが達成可能だと考えていた数字をはるかに超えたものです。皆さんからの支援に本当に感激しています」と述べた。
新規の個人会員の多くは、EAの代表者が教会で行う講演活動を通して獲得していった。カルバー氏は、EAがこれまで個人会員の新規獲得にそれほど力を入れてこなかったことを認めつつ、「EAは再び活動を始めたのです」と語った。
EAの個人会員の急増は、団体としての発言力、特に英国政府への働きかけを強化することにつながった。政策立案者との対話では、福音派を代表する団体として、結婚や人種的正義など、英国社会の主要な課題について、キリスト教的視点が確実に反映されるよう働きかけている。カルバー氏は、「私たちの役割は、教会に、権力の中枢に対する明確かつ効果的な発言力を与えることです」と話す。
EAは現在、個人会員、教会会員、団体会員の3つの会員制を設けており、個人会員については今後10年以内に5万人にまで増やす目標を掲げている。
カルバー氏はまた、神学的な堅固さと積極的な伝道活動のバランスを取る必要性を強調した。
「私たちは神学的に冷静さを保たなければなりません。神の言葉において重要な事柄については、自国の文化がどんな代償を要求しようとも妥協せず、福音を伝えることに全力を尽くさなければなりません。私たちが使命を忘れず、ぶれることなく、焦点を定め、立ち止まるよりも、ひざまずいて祈る時間を多く持つ限り、主が私たちと共にいてくださり、必ず成功すると信じています」