能登半島地震で大きな被害を受けた石川県を含む中部地域の5県を管轄するカトリック名古屋教区は15日、地震に関する第3報で、金沢教会(金沢市)内に「のとサポートセンター」を開設すると発表した。正式な開設は20日の予定。開設後は、同センターが被災地支援に関わる情報発信を行い、支援物資やボランティアなどの受け付け窓口となる。
同教会の片岡義博司祭がセンター長となり、カトリック中央協議会の緊急対応支援チーム(ERST)とその他のボランティアがスタッフとして働く。同センターへの連絡は、電話(070・1220・7497、070・1220・7495)とメール([email protected])で受け付ける(木曜定休日)。
名古屋教区はこの地震で、能登半島北部にある輪島教会(同県輪島市)と七尾教会(同県七尾市)が、外壁が崩れ落ちるなど、特に大きな被害を受けた。9日付の第2報によると、同教区の松浦悟郎司教と片岡司祭は7日、新潟教区の成井大介司教のほか、カリタスジャパン、ERST、カトリック新聞のメンバーらと共に七尾教会を訪問し、隣接する幼稚園の園長らから話を聞くなどした。
また、この日はカトリック教会の「主の公現」の祭日で、現地の信徒らと共にミサもささげた。ミサの後には輪島教会を訪問し、車3台に積んだ支援物資を届けた。
名古屋教区は、教会関連施設の復旧とその被災者支援を、支援活動の第一の柱としている。特に輪島教会は現在、使用不可能な状態だというが、教区最北端の教会として再興に力を入れる考えだ。日本人信徒は少ないものの、タガログ語のミサにはフィリピン人信徒約20人が参加しており、丘の上に建つ立地から「地域への支援の拠点になる」と考えているという。
第二の柱は、地域への支援活動。輪島、七尾の両教会とも幼稚園を併設しており、まずは幼稚園の協力を得て、園児やその家族の支援を行うことから始める。7日に届けた支援物資はその最初のものだとしている。
今後、具体的な支援拠点を被災地につくっていく計画で、のとサポートセンターを中心に、金沢、七尾の両教会の間にある羽咋(はくい)教会(同県羽咋市)、七尾教会、輪島教会の順に進めていく予定だという。
一方、被災地の道路は、亀裂や隆起、土砂崩れなどで通れなくなっている所が多く、余震や雪などもあり、状況は非常に悪い。そのため、石川県などは現在、ボランティアの乗り入れを控えるよう要請しており、各自治体の社会福祉協議会もボランティアセンターはまだ開設していない。そのため、のとサポートセンターも現在はボランティアを募集していない。「大変もどかしい状況」としつつ、今後募集を始める場合は告知するとし、それまで待つよう求めている。
支援物資の募集や被災地の視察受け入れも同様で、現在は行っておらず、始める場合は告知するとしている。特に支援物資に関しては、送付だけでなく、問い合わせ自体も控え、告知があった場合のみするよう求めている。
一方、募金は4日から始めており、寄付は郵便振替(00810・5・50605、カトリック名古屋教区、通信欄に「のと地震」「のと」「NOTO」などと明記)で受け付けている。カリタスジャパンも募金を行っているが、教区への寄付は主に、教会関連施設の復旧とその被災者支援のために使われ、カリタスジャパンへの寄付は、地域の被災者支援のために使われる。カリタスジャパンの募金に関する詳細はホームページで確認を。