北アフリカのモロッコで8日深夜、強い地震が発生し、14日までに死者2900人以上、負傷者5500人以上という甚大な被害が出ている。現地では国際的な救援活動が行われており、キリスト教人道支援団体の「コンボイ・オブ・ホープ」や「オペレーション・ブレッシング」なども対応に当たっている。
震源地は、同国西部の主要都市マラケシュの南西約70キロメートルにある高アトラス山脈。地震の規模を示すマグニチュード(M)は6・8で、モロッコを襲った地震としては、過去120年間で最も強いという。
死者の多くは、マラケシュ南部のアクセスが悪い地域で出ており、英ニュース専門局「スカイニュース」(英語)は11日、マラケシュだけで死者が2千人近くになる恐れがあると報じている。
コンボイ・オブ・ホープは、食料や水、衛生用品、シェルター、毛布、発電機などの必要物資を被災地に届けることを目指して活動している。しかし、モロッコの人々は今後数週間から数カ月の間に多くの困難に直面するだろうとして、「常用の電気、清潔な水、雨風をしのげる場所を突然失ったことは、既に壊滅的となっている状況をさらに悪化させるでしょう」と警告している。
オペレーション・ブレッシングも、国際災害救援チームのメンバーを現地に派遣している。チームの責任者であるディエゴ・トラベルソさんは11日、米キリスト教メディア「クリスチャンポスト」(英語)の取材にメールで答え、スペインと米国のメンバーと共に太陽電池式のライトや浄水器などの支援物資を配布し、緊急のニーズに対応する予定だと述べた。
オペレーション・ブレッシングはこの他、2月に大地震に襲われたトルコでも復興を支援する活動を行っており、過去100年で最も強力だとされる大型ハリケーン「イダリア」による被害を受けた米フロリダ州でも支援活動を続けている。
英タイムズ紙によると、スペインや英国、フランス、トルコなどの国々や国連などが、救援隊をモロッコに派遣し、救援活動に当たっている。