国土の3分の1が浸水する大規模な洪水被害に見舞われたパキスタンと、この約2カ月余りの間に発生した地震と洪水により1500人以上の死者が出ている隣国アフガニスタンを支援しようと、神戸国際支縁機構が救援募金の受け付けを始めた。
パキスタンでは、6月中旬からモンスーンに伴う大雨が続き、さらに北部にある山間部の氷河融解が拍車をかけ、同国史上最悪とされる洪水が発生。米CNN(日本語版)が同国の国家災害対策当局の発表として伝えたところによると、6月14日~9月3日の間に死者は1282人に達した。死者のうち3分の1は子どもとされ、被災者は3300万人に上るという。
一方、アフガニスタンでは6月22日、東部でマグニチュード5・9の地震が発生。昨年8月のタリバン政権復権後における最悪の自然災害とされ、さらに8月には中部や東部などで洪水が発生。米ブルームバーグ通信(英語)が9月3日にタリバン高官の話として伝えたところによると、この地震と洪水により、少なくとも1570人が死亡、約6千人が負傷した。
神戸国際支縁機構では、6月の地震発生直後から、特に避難が困難なアフガニスタンの孤児やシングルマザー、差別にさらされている少数民族を支援するための救援募金を開始。8月に入ってさらに両国を洪水が襲ったことで、支援対象をパキスタンにも広げた。
同機構理事長の岩村義雄牧師(神戸国際キリスト教会)は、パキスタンやアフガニスタンで活動したクリスチャン医師の故中村哲氏に言及。中村氏は、干ばつで大量の犠牲者が出ている状況から、「100の診療所より1本の用水路を」と掲げ、医師でありながらも、アフガニスタン現地で農業用水路の建設のために生涯をささげた。岩村氏は「中村氏の遺志を実現に至らせたいと願っています」と話し、救援募金への協力を呼びかけている。
募金の受け付け口座は以下の通り。受取人の名義はいずれも同機構の海外部門である「カヨ子基金」。受付期間は12月31日まで。
■ ゆうちょ銀行の場合
記号:14340 番号:96549731
※ 通信欄に「パキスタン」か「アフガニスタン」の国名を記載
■ ゆうちょ銀行以外の場合
店名:四三八(店番:438) 預金種目:普通預金 口座番号:9654973