カリブ海の島国ハイチで14日、マグニチュード(M)7・2の大地震が発生したことを受け、キリスト教系NGOのACNインターナショナルが、40万ポンド(約6千万円)を超える救援金を送った。この地震では2千人以上が死亡し、1万2千人以上が負傷した。南部の幾つかの都市では建物が倒壊する甚大な被害が出ており、1カ月間の非常事態が宣言された。
ACNインターナショナルの代表であるトーマス・ハイネ・ゲルデルン博士は、被災者のために祈りの支援を求めて次のように述べた。
「私たちは、多くの自然災害に見舞われ、暴力と極度の貧困の中で絶望的な状況にある人々に希望を与えるために、ハイチの教会が行ってきた多大な努力を知っています。それ故この困難な時期に、人々を支えるために闘っている彼らを見捨てることはできません。この国のため、愛する人を失った人、負傷した人、すべてを失った人のために祈りの支援をお願いします」
南西部の都市レカイの司教であるチブリィ・ラングロワ枢機卿は、地震で自宅が損壊し、自身も負傷した。カトリック系のCNA通信(英語)によると、死者の中には少なくともカトリック司祭1人が含まれているという。
米ニューヨーク・タイムズ紙(英語)は、幾つかの町では「教会が一つも残っていない」と報じた。米ケンタッキー州ルイビルの聖母被昇天大聖堂がユーチューブに投稿した動画には、南西部の都市ジェレミーにあるセントルイス大聖堂の屋根が崩れ落ちた様子が映っている。
レカイ在住のイブ・ジョエル・ジャクリーン神父は同紙に、政府からの支援は何もないとし、「ここにあるのは、ただ私たちだけです」と語った。
同紙によると、記者が確認したレカイ周辺約1・5キロメートルの範囲では、「すべての教会」が「完全に破壊されているか、深刻な被害を受けている」という。加えて、熱帯暴風雨「グレース」によって状況はさらに悪化している。
困難な状況にもかかわらず、ジャクリーン神父は固く信仰に立っており、同紙に次のように語った。
「私たちの教会は破壊され、レカイ周辺の多くの教会も破壊されました。しかし、私たちには信仰があります。人々がここにとどまっている限り、コミュニティーを取り戻すことができると信じています」