ローマ教皇フランシスコが、大型ハリケーン「マシュー」の被害に遭ったハイチの被災者のために10万ドル(約1千万円)を寄付した。
寄付金は教皇の慈善機関を通じて送られ、ハイチで最も激しい被害を受けた地域で使われる予定。寄付は14日に発表され、ハリケーンの被害に遭った「場所と人々へ対する、教皇フランシスコの愛情深い支援と霊的親密さの具体的な表れ」としている。
実際に寄付を行った教皇庁開発援助促進評議会(コルウヌム)は、教皇が緊急支援を行う際に利用する機関。コルウヌムは、同じくハイチの被災者への寄付を決めたカトリックの他の慈善団体や各国の司教協議会から支援を受け入れることになる。
キリスト教の諸団体は、ハリケーンにより千人以上が死亡し、何千人もが家を失ったハイチのために、率先して人道支援を行っている。ハリケーンは、農作物や家畜に甚大な被害をもたらし、カリブ海に浮かぶ島国に大惨事をもたらした。
現地のカトリック慈善団体「カリタス・ハイチ」は、コレラの流行が危惧される中、食糧と衛生用品の支援を緊急に呼び掛けている。カリタス・ハイチ事務局長のジャン・エルベ・フランソワ神父は、今回のハリケーンの被害を「想定外だった」と述べた。カリタス・ハイチは、最も深刻な被害を受けた地域に住む1万3500人に援助物資を提供するため、25万ユーロ(約2850万円)の寄付を呼び掛けている。
英国のキリスト教援助団体「クリスチャン・エイド」も、「ハリケーン・マシューは、破壊の爪痕を残してハイチを通過しました」と述べ、支援を呼び掛けている。
「私たちは20年近くハイチで活動しています。私たちのパートナーたちは、ハリケーン・マシューの接近時、人々がシェルターに避難することを助け、ハリケーンが襲った週末の間、シェルターに食糧が確実に備えられているようにしてくれました。今、彼らはハリケーンがもたらした被害を調査し、どうしたら最も良く人々を助けられるかを考えています」
「皆様が今日、私たちの『ハリケーン・マシュー・アピール』のためにできることがあれば、何であっても構いませんのでご協力お願いします。それにより、被害を受けた人々がすぐにでも立ち直ることができるよう、私たちのパートナーたちが地域社会を支援することができます」