6日にトルコ南部とシリア北部で起きた地震により、死者が5万人以上に上っている。
18日に40歳代の夫婦が296時間ぶりに救助されて以降、新たな生存者の救出は伝えられていない。地震から2週間が経過した今、残念だが捜索と救助活動は打ち切られた。
国連の推計によると、この地震で900万人の人々に影響が及んでいる。トルコ国内だけでも150万人が家を失い、少なくとも50万戸が必要だ。地震で発生したがれきの規模は、1999年にトルコで発生した前回の大地震の7倍にもなるという。
国連関係者は、この地震はトルコ史上最大のもので、これまでにトルコが直面した最大の自然災害であると述べた。地震は建物を破壊し、インフラを寸断し、物理的被害を及ぼしたが、被害はそれだけではなく、人々の心の領域にも及ぶ。生存者の多くにPTSD(心的外傷後ストレス)の兆候がみられる。
またこれらの生存者の中には、シリアからの難民が少なくなく、彼らにしてみれば、紛争を逃れてきた先での震災ゆえ、二重の苦しみとなっている。
一方、シリア北部では、少なくとも90万人が緊急避難所を必要としている。
保護者のいない子どもたちも多く、大勢が収容される簡易的な避難所では、心のケアとともにセクハラも防止しなければならない。いずれにしても、簡易テントや仮設住宅などのリソースがすぐに必要だ。
宣教団体ワールドコンサーンの現地の関係者は言う。
「人々は希望を失いつつあります。ショックを受けている人、苦しんでいる人、愛する人を探している人がまだたくさんいるのです。彼らは、なぜ神はこのようなことが起こるのを許されるのだろうと言います。この問いは、決して簡単に答えが出るようなものではありません。しかし、私たちがこの破壊と悲惨の最中に見ることのできる一つの希望は、互いの労わり合い、助け合い、あるいは駆けつけた人々の必死の救助作業、これらの人々の中にある愛の姿です。
私たちは現地でこれらの奉仕をしながら、神があなたを気にかけている、神があなたを心配していると、声をかけています。私たちが愛を示し、思いやりのある態度を示し、助けることで、人々はキリストの愛を見ることができるのです。今はトルコやシリアへの祈りと支援をやめる時ではありません」
復興への道は長く、悲しみに満ちている。ワールドコンサーンは、被災者が食料やシェルター、きれいな水、聖書のカウンセリングなど、あらゆるものを手に入れられるよう支援している。
今も寒さに震える人々に、必要が速やかに届くように祈ろう。また現地で労し、援助と助けの手を差し伸べるこれらのキリストにある団体と教会、兄姉らが、とりわけ心の領域で痛みを負っている人々に、人知を超えたキリストの癒やしと平安を届けられるよう祈っていただきたい。
■ シリア内戦前の宗教人口
イスラム 90%
プロテスタント 0・2%
カトリック 3・1%
正教会関係 3・0%