トルコ南東部のシリア国境に近いガジアンテプ周辺で6日、マグニチュード(M)7・8と7・5の2度にわたる巨大地震が発生したことを受け、キリスト教諸団体が被災地支援や支援のための調査を開始した。日本国内では緊急募金も始まり、各団体は協力を呼びかけている。この地震では、7日までにトルコ、シリアの両国で死者が計5千人を超えており、今後さらに増えるとみられている。
ワールド・ビジョン
世界約100カ国で活動するキリスト教国際NGO「ワールド・ビジョン」は、シリア北西部で支援事業を行っていたシリア対応事務所を中心に、地震発生直後から対応を開始し、初動調査を実施。既に、喫緊に必要とされる暖房器具と燃料の配布などを行っている。
初動調査によると、避難所や医療施設向けの燃料や電気、テント、毛布、防水シートなどの緊急支援物資、食料(調理済み食品)などのニーズが高いという。今後は、シリアとトルコで優先度の高いニーズに対応し、子どもを含めた被災者の命を守るため、提携団体と協力して支援を届けていくとしている。
シリア北西部の事業に従事するワールド・ビジョンのスタッフは、現地の状況について「無力感と恐怖を覚え、余震が続く中、恐怖は今も続いています。多くの人々が、雪と雨の降る中、路上に避難しています。多くの人が命を落とし、建物は崩れ、がれきの下には多くの人が取り残されています」と話している。
日本支部である「ワールド・ビジョン・ジャパン」は、7日から緊急援助募金を開始。「寄付により、緊急に必要とされている、越冬支援、食料、緊急援助物資などを届けます。人々の命を守り、明日への希望をつなぐため、ご協力をお願いいたします」と呼びかけている。
オペレーション・ブレッシング
長年にわたり自然災害に対応してきたキリスト教国際NGO「オペレーション・ブレッシング」も、地震発生直後に国際災害救援チームを派遣し、支援活動を始めた。現在は、甚大な被害を受けた人々に最も必要な支援を届けるため、地域のパートナーと協力してニーズ調査をしており、調査終了後に本格的な活動を始めるという。
日本支部である「オペレーション・ブレッシング・ジャパン」は、7日から緊急災害支援の寄付受け付けを開始。「あなたの祈りと温かなご支援が災害に苦しむ人々の生活に変化をもたらし、あなたの思いやりは、彼らの最も暗い時間に希望と助けをもたらします」と協力を呼びかけている。
ハンガーゼロ
ハンガーゼロ(日本国際飢餓対策機構)も、7日から緊急救援募金を開始した。現地での緊急支援活動は、海外パートナーの韓国国際飢餓対策機構(KFHI)を通じて行う方針。被害状況の調査は既に始めており、防寒用のテントや小麦粉、食用油、日用品類などをまとめた「緊急支援キット」を、避難生活をしている子どもとその関係者に向けて配布する計画だという。
寄付は、ウェブサイトと郵便振替(記号番号:00170・9・68590、加入者名:日本国際飢餓対策機構、通信欄に「2023年トルコ地震」と明記)で受け付けている。
カヨ子基金
岩村義雄牧師が理事長を務める神戸国際支縁機構の海外部門「カヨ子基金」も、7日から救援募金を始めた。カヨ子基金は5年前からシリアの孤児たちに寄り添う活動を行っており、現在同国北部アレッポにある孤児の家「カヨコ・チルドレン・ホーム」の責任者と連絡を取り合っているという。
救援募金の目標金額は100万円で、集まった寄付は全額現地へ届ける。寄付の振り込み先など詳細は、カヨ子基金のウェブサイトを。