フィリピンで22日から23日にかけ、マグニチュード(M)6を超える地震が2回発生し、23日までに16人が死亡、81人が負傷した。地震により現地の教会も被害を受けており、アジアキリスト教協議会(CCA)のマシューズ・ジョージ・チュナカラ総幹事は、被災地への支援を呼び掛けている。
最初の地震(M6・1)は、現地時間22日午後5時(日本時間同日午後6時)過ぎ、北部ルソン島で発生。その後、23日午後1時半(同午後2時半)過ぎに、ルソン島の震源から南東に約600キロ離れた中部サマール島で、M6・3の地震が発生した。余震は22日以来、400回以上も観測されている。
現地のニュースサイト「ラップラー」(英語)が、ルソン島の震源に近いパンパンガ州の大司教区教会遺産委員会の情報として伝えたところによると、同州内では次の教会が被害に遭った。
サンタカタリナ・デ・アレクサンドリア教会(ポラク)、サンフェルナンド・メトロポリタン大聖堂(サンフェルナンド)、聖ロザリオ教会(アンヘレス)、アパン・ママカルル聖堂(同)、セントジェームス使徒教会(グアグア)、サンタリタ・デ・カーシア教会(サンタリタ)。
現地日刊紙「フィリピン・デイリー・インクワイアラー」(英語)によると、サンフェルナンド大司教区は、パンパンガ州内の24教会を22日から安全が確認できるまで閉鎖すると発表。サンタカタリナ・デ・アレクサンドリア教会は4階建ての鐘塔が倒壊し、同州ルバオのサンアグスティン教会は、ドーム型の天井の一部が崩壊したことで、鐘塔の十字架が損傷するなどした。
CCAのチュナカラ総幹事は声明(英語)で、被災者に対し、深い同情と哀悼の意を表明。「私たちの思いと祈りは、フィリピンの皆さん、特に悲しむ犠牲者の家族、またこの大災害で被害を受けたすべての人と共にあります」と語った。
その上で、CCAに加盟するアジア21カ国100以上の教派・教団に対して、被災地への人的・物的支援のほか、社会的・心理的なサポートを要請。「この危機の時、われわれの主イエス・キリストが、フィリピンの苦しむ人々に安らぎと慰めを与えられますように。そして、『神はわたしたちの避けどころ、わたしたちの砦。苦難のとき、必ずそこにいまして助けてくださる。わたしたちは決して恐れない。地が姿を変え、山々が揺らいで海の中に移るとも』(詩編46:1~2)という、神の保証を覚えましょう」と語った。