英国のエリザベス女王が現地時間8日午後(日本時間9日未明)、静養先の英北部スコットランドのバルモラル城で死去した。英国の君主として歴代最長となる70年にわたって在位し、96歳でその生涯を閉じた。英国国教会の「信仰の擁護者」「最高統治者」の肩書もあり、君主としての世俗的な責任に加え、同教会のさまざまな役割も担い、大主教や主教の任命などを行った。女王の死去を受け、長男で王位継承順位1位のチャールズ皇太子(73)が国王に就いた。
英国国教会のカンタベリー大主教ジャスティン・ウェルビーは、女王の死去発表直後、ツイッター(英語)に、「私の祈り、英国民また英国国教会中の人々の祈りは今日、女王陛下と共にあります」と投稿。「神の臨在が女王陛下とそのご家族、そしてバルモラル城で女王陛下に仕えている人々を強め、慰めてくださいますように」と祈りをささげた。
カンタベリー大主教の公式サイトで発表した声明(英語)では、「忠実なキリストの弟子として、また英国国教会の最高統治者として、女王陛下は日々の生活の中で信仰を実践されました。神への信頼と深い愛は、彼女が1時間1時間、1日1日をどのように生き、人生を送るかの基礎となるものでした」とコメント。「亡くなられた女王陛下の人生において、私たちは、神から与えられた命の贈り物を受け取り、忍耐と謙遜、無私の奉仕を通して、それを他の人々への贈り物として分かち合うことの意味を知りました」などと述べ、哀悼の意を示すとともに、女王の信仰者としての歩みを語った。