英国のエリザベス女王は3日、同国ケント州カンタベリーで開催されたランベス会議に出席した600人を超える聖公会の主教らに向けてメッセージを送った。
メッセージの中で女王は、世界が新型コロナウイルスの感染拡大から脱するに当たり、「神の愛が、言葉においても行いにおいても、大いに必要とされている」時期にこの会議が招集されたとコメント。「(今は)世界中の主教や司祭、一般信徒にとって計り知れない困難の時期であり、皆さんの多くは苦しみや紛争、トラウマのある場所で奉仕しています」と主教らを労った。その上で、「私にとっての慰めは、皆さんが神の力を借りて奉仕していることです」と続けた。
女王はまた、「私たちは、気候変動の影響が多くの人々や地域社会、とりわけ最も貧しい人々、適応したり、順応したりする能力の低い人々の命と生活を脅かしている時代に生きています」と指摘。ランベス会議が気候変動に焦点を当てたことに感謝の意を表した。
主教らはこの日、カンタベリー大主教のロンドン公邸であるランベス宮殿で、環境と持続可能な開発を中心テーマとした会合を開催。その中で、アングリカン・コミュニオン(全世界聖公会)に属する管区、教区、教会が行う世界的な環境保護のイニシアチブ「コミュニオン・フォレスト」(英語)の立ち上げも行われた。
女王は、「私は、今日のランベス宮殿でのプログラムの焦点が、環境というテーマについての考察と対話であると知り、関心を持ちました。(環境問題は)私の亡き夫が心を傾けた事業であり、チャールズ皇太子とウィリアム王子によって引き継がれています」と続けた。
最後に女王は自身のキリスト教信仰を振り返り、次のように述べた。
「キリストのメッセージと教えは生涯を通じて私の指針となっており、私はその中に希望を見いだしています。これからも皆さんが、試練の時には信仰によって支えられ、絶望の時には希望によって励まされていくことを、私は心から祈っています」