日本ゴスペル音楽協会(ジョシュア佐佐木理事長)が主催する第4回日本ゴスペル音楽祭(映像制作:日本CGNTV)が7日、オンラインで開かれた。2019年の台風19号と新型コロナウイルスの感染拡大を受けて延期が続き、4年ぶりの開催となった。1次審査を通過した12組のクワイアが優勝を争い、特別ゲストとして、日本ゴスペル界の第一人者として知られる故亀渕友香さんが立ち上げたコーラスグループ「The Voices of Japan」(VOJA)と、日本を代表するゴスペルグループ「THE SOULMATICS」がステージを披露した。
日本におけるゴスペル音楽の普及と技術の向上を目的に、18年までは日本ゴスペル音楽協会が毎年開いていた。日本ではゴスペル人口が多いものの、クワイア同士が交流したり、パフォーマンスの質を競い合ったりするような機会はこれまであまりなかったという。第2回から始まったコンペティションは、エントリーするクワイアが年々増えるなど盛り上がりを見せていた。
司会を務めた日本ゴスペル音楽協会の永井信義理事は、「ゴスペル音楽業界もこの2年間、いろいろな困難の中を通らされてきた」とあいさつ。共に司会を務めたVOJAの倉地恵子さんは、「念願の日本ゴスペル音楽祭。日本のゴスペル音楽の再スタートを心から祝いたい」と開催の喜びを語った。
それぞれのチームが映像にも工夫を凝らし、前回にも増してハイレベルな戦いとなったコンペティションを制したのは、東京の音楽専門学校で結成された「TSMゴスペルアンサンブル」。神の愛の素晴らしさを歌ったイスラエル・ホートンの「How Awesome Is Our God」を、高い歌唱力と豊かな表現力で歌い上げた。コロナ禍にあって一人で苦しんでいる人々の希望になればと、マスクの着用やスタジオの人数制限といったさまざまな制約の中で練習に励んだという。
■ ファイナリスト動画:TSMゴスペルアンサンブル「How Awesome Is Our God」
準優勝は、ソロで活躍するメンバーも多く、歌唱力が持ち味の「博多シング・フォー・ライフ」。レッスンではメンバー同士のつながりを大切にし、ゴスペルを届ける意味を考えているというチームが選んだ楽曲は、ドナルド・ローレンス・アンド・トライシティー・シンガーズの「God's Favor」。どこまでも諦めない神の愛を高い歌唱力で歌い上げ、最後には、新約聖書の言葉「信仰とは、望んでいる事柄を確信し、いまだ見ぬ真実を確認し続けることである」(ヘブライ11:1)を添え、福音の希望を伝えた。
■ ファイナリスト動画:博多シング・フォー・ライフ「God's Favor」
3位に選ばれたのは、神奈川の「WIZゴスペルクワイア」。リッキー・ディラードの「I Won't Go Back」を披露し、練習で培った豊かな表現力とリードシンガーたちのパワフルな歌唱力でステージを盛り上げた。審査員特別賞のハートウォーミング賞には、全員高校生による「大阪スクールオブミュージック高等専修学校ハイスクールクワイヤープロジェクト」が選ばれた。
永井氏は、「次回は会場で、同じ空間で皆さんとお会いしたい」と、対面での開催の実現に期待を寄せた。集会の模様と1次審査を通過した全クワイアの演奏は、日本ゴスペル音楽協会のホームページで視聴できる。