福音派の世界宣教をけん引してきたローザンヌ運動の第4回世界宣教会議が、2024年9月に韓国の首都ソウルで開催されることが発表された。2010年に南アフリカ・ケープタウンで開かれた第3回会議以来14年ぶりの開催で、ローザンヌ運動50周年を祝う記念の会議となる。開催国の韓国だけでなく、日本を含むアジア諸国の教会が緊密に連携して準備を進めるという。
ローザンヌ運動のマイケル・オー総裁が5日、韓国のオンヌリ教会・仁川(インチョン)キャンパスで開催された会合の中で発表した。オー氏と、韓国ローザンヌ委員会委員長で同教会主任牧師のイ・ジェフン氏が開催委員会の共同委員長を務める。
ローザンヌ運動は、世界的な伝道者ビリー・グラハム氏の提唱により、1974年にスイス・ローザンヌで第1回会議が開催されたことに始まる。この会議には、約150カ国から2400人以上の福音派指導者が参加。英国の神学者ジョン・ストット氏を中心に起草され、採択された「ローザンヌ誓約」は、伝道の必要性や目的に神学的基礎を与えるとともに、社会的参与もキリスト者の責任であることを確認するもので、以後、福音派の重要な指針となってきた。
第1回会議には日本からも約60人が参加し、昨年亡くなった東京基督教大学名誉教授の宇田進氏はスピーカーを務めるなどした。1989年にはフィリピンの首都マニラで第2回会議が開催され、「マニラ宣言」を採択。2010年の第3回会議では「ケープタウン決意表明」を発表し、日本ではその後、日本ローザンヌ委員会が組織されるなどした。
第4回会議は世界宣教に影響を与える重要な指導者ら数千人の参加を見込んでおり、ローザンヌ運動は発表(英語)で、「キリスト教史において極めて画期的な出来事になるでしょう」と述べている。
また、「世界教会は、自らの一致と世における証しの両方を考えなければならない重要な地点に立っています」と強調。「私たちのビジョンは、すべての人に福音が届けられ、すべての民族と場所に弟子を生み出す教会が建てられ、すべての教会と分野にキリストに似た指導者が生み出され、すべての社会領域に御国の影響が及ぶのを見ることです。私たちは、このビジョンの実現を目指していきます」としている。