日本福音同盟(JEA)、日本地区アジア神学協議会(ATA/J)、日本ローザンヌ委員会(JLC)の福音主義3団体が7日、静岡県掛川市で開催されるJEA総会で相互協力のための覚書に調印する。JLCが2日、公式サイトで発表した。
3団体はこれまでも、教会や神学、教育、宣教などの各分野で福音主義の諸教会に仕え、アジア、世界との連携を図ってきたが、今回、情報交換や人的交流などの相互協力について初めて明文化する。世界的にも先駆的な取り組みで、3団体がそれぞれ関係するアジア、世界の諸団体からは祝辞が寄せられている。
覚書の目的は、「教会と神学教育と世界宣教の各分野の使命を果たすために、互いを尊重しつつ交わりを深め、相互の情報交換と研鑽(けんさん)を促進して、三者の一層の協力を図り、強めていく」。具体的には、1)教団・教会・諸団体、神学教育、世界宣教の分野の相互理解と情報交換、2)JEA、ATA/J、JLCとの相互研鑽と共通の課題への取り組み、3)世界福音同盟(WEA)、アジア福音同盟(AEA)教会会議、国際福音主義神学教育協議会(ICETE)、アジア神学協議会(ATA)神学会議、世界、アジアのローザンヌ宣教会議などへの参加や人的交流、4)その他、前条の目的を達成するために必要な事項――の4項目について連携・協力するとしている。
相互協力の覚書は、ATA創立50周年の昨年、日本における記念行事の一つとして、当初はJEAとATA/Jの2者間で発案された。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大により昨年のJEA総会が縮小開催となり延期に。今年、JLCを加えた形で「三者の交流が摂理的に実現」することになったという。
WEA前総主事で国際親善大使のエフライム・テンデロ氏は、「これにより福音は大いに前進し、日本内外における個人、家族、国民の各レベルでの変革がもたらされることでしょう」と歓迎。ICETE国際ディレクターのマイケル・オルティス氏は、「相互協力の模範として、世界中の人々が注目することでしょう」と期待を示した。
また、ローザンヌ運動国際総裁兼最高責任者(CEO)で、キリスト聖書神学校(名古屋市)の初代校長であるマイケル・オー氏は、「世界には悲痛な分断とみにくい分極化が現実としてある中、この覚書は、日本で、そして世界中で、謙遜に仕え、惜しみなく愛し、神の宣教に効果的に取り組むために、神の家族を一つにする福音の力を証ししてくれます」と語った。
調印式はJEA総会の初日である7日夜に行われ、JEAの石田敏則理事長、ATA/Jの倉沢正則理事長、JLCの立石充子主事が調印する。3団体の紹介動画が映し出されるほか、ATAのテレサ・ルア総主事による講演と、ATAのアンドレアス・ヒマワン理事長、インド地区ATAのポール・コルネリアス総主事によるあいさつも予定されている。