国連の「持続可能な開発目標」(SDGs)に聖書的な解釈を提示し、SDGsの啓発に取り組む世界的なキャンペーン「聖書とSDGs」(英語)が、世界福音同盟(WEA)やローザンヌ運動などの協力で開催されている。
SDGsは2015年、国連サミットで「ミレニアム開発目標」(MDGs)の後継目標として採択された。国連に加盟する193カ国が、16年から30年までの15年間で達成を目指す、貧困や飢餓、ジェンダー、気候変動など17のゴール(目標)と169のターゲット(具体的な指標)で構成されている。
「聖書とSDGs」では、9月8日から24日までの17日間、毎日SDGsの17のゴールのうちの1つと、それに対する聖書的解釈を提示。キャンペーンに参加するキリスト教団体が実際に取り組んでいるプロジェクトを紹介するとともに、「あなたにできること」として、行動を促す内容も示している。
SDGsの1つ目のゴール「あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる」(9月8日)では、「神の国のシャローム(平和)の現実においては、誰も不足がない」とし、人々が所有物を売って互いに分け合っていた初代教会の姿(使徒4:32、34~35)を紹介。また、ヤコブの手紙の内容から「公平性がすべての地域教会の特徴であるべき」だとし、「キリストにある私たちの共同体の力は、必要としている人々に公共の利益という祝福をもたらします」としている。
プロジェクトとしては、ガーナのペンテコステ派教団「ペンテコステ教会」による貧困者向けの小口金融サービスを紹介。「あなたにできること」では、「あなたが住んでいる場所で、貧困の現実に目を向けてみましょう。あなたの地域社会の貧しい人々について知り、彼らのために祈り、愛をもって分かち合い、奉仕する方法についての実践的なアイデアを開発しましょう」と勧めている。
「聖書とSDGs」には、WEA、ローザンヌWEA被造物ケアネットワーク(LWCCN)、気候変動問題などに取り組むキリスト教団体「リニュー・アワ・ワールド」、ペンテコステ教会、ガーナ・アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団の救済開発部門「AGケア」が参加している。