1974年の第1回会議より、全世界の福音派諸教会に大きな影響を与えてきたローザンヌ運動の40周年と新総裁就任を記念する講演会が、新総裁のマイケル・オー氏を迎えて3日、東京都千代田区のお茶の水クリスチャンセンターで開かれた。「これからの世界―宣教の焦点と教会が問われる課題」と題して講演したオー氏は、ローザンヌ運動が取り組む3つの宣教の指針を示し、日本宣教への展望を語った。
第一は、すべての教会を動員すること。オー氏は、「女性」「信徒」「若者」という3つのキーワードを挙げ、特に信徒について日本の宣教に当てはめ、「教会の99%を占める信徒を動員しなければ(1%の教職だけでは)、99%の未信者に福音を伝えていくことは不可能」と強調した。
第二は、健康的な神学を建て上げること。この先10年の世界宣教に対する見通しをまとめた2010年のケープタウン決意表明を土台に様々な審議が進められていることや、世界宣教に情熱的に取り組む次世代の神学者たちを集めることに焦点を合わせていることを紹介した。
第三は、宣教の方策を建て上げること。具体的な例として、ローザンヌ運動が今年から取り組む「ミッションチャイナ2030」を挙げ、「歴史に残るような全中国的な宣教の働きを計画することを願っている」とその働きを紹介した。
「ミッションチャイナ2030」には3つのゴールがある。第一は、国家的規模で次世代の教会リーダーたちを神学的に教育すること。第二は、5千の教会を開拓すること。第三は、中国から2万人の宣教師を送り出すことだ。オー氏は、「人間的には不可能と思えるかもしれないが、これが実現すれば、世界に大きな影響を与えることができるのではないか」と語った。
その上で日本宣教についてオー氏は、「もし私たちの神が全能なるお方、生きて働いておられるお方、世界をつくられたお方であるとすれば、その神が日本にもっと多くの素晴らしいことをなしてくださるのは確実なことではないか」と語り、「日本の宣教、世界の宣教のために、互いに恵みをもって謙遜に立ち上がっていきたい」と力を込めた。
オー氏は、2030年までに日本が世界で最も宣教師を送り出す国になり、日本のクリスチャン人口が10倍にも50倍にもなる神の働きが「みなさんを通してなされると信じている」と強調し、「私自身の個人的な献身とローザンヌ運動のサポートを、そのことが実現するまで続けることを約束する」と語った。