インド政府は、認可が取り消され海外からの寄付を受けられなくなっていたカトリック女子修道会「神の愛の宣教者会」について、再認可を認める決定を下した。
同会は1950年にマザー・テレサによって同国東部のコルカタで設立され、マザー・テレサの活動の中心として知られている。同会の貧困層に対する活動は海外からの寄付金に大きく依存しているため、昨年12月にインド内務省が認可を取り消したことから、同会の運営自体が危うくなっていた(関連記事:マザー・テレサ創設の「神の愛の宣教者会」、インド政府が海外からの寄付を遮断)。
内務省は同会が、海外からの寄付受け取りで必要な外国貢献規制法(FCRA)に基づく適用要件を満たさなくなったと主張したが、この決定が広く批判され、英国では国会議員からも撤回を求める声が上がっていた。
バチカン・ニュース(英語)によると、再認可は7日に決まり、同会はFCRAの規定の下でも海外からの資金提供を受け続けることができるようになったという。同会の広報担当者であるスニタ・クマール氏は、カトリック系のUCAN通信(英語)に、「まさか当会の登録が抹消されるとは思ってもいませんでしたが、そうなってしまいました」とコメント。「大きな遅れもなく活動が回復したことに私たちは満足しています」と語った。
英貴族院の議員で、英国国教会オックスフォード教区の元主教でもあるリチャード・ハリーズ氏は今月初め、議会でヒンズー教至上主義の影響について懸念を表明。英政府に対し、同会の認可取り消しをめぐってインド政府に圧力をかけるよう求めていた。
「マザー・テレサと彼女が設立した慈善団体『神の愛の宣教者会』の働きは、世界中に知れ渡っています。同会は地球上で最も貧しく、最も窮乏している人々のために活動しているのです。インド政府がその活動を妨げ、阻止しようとする理由は一体何だというのでしょうか」
「恐ろしいことに、民衆がキリスト教に触れ、ついには改宗するかもしれないという理由で、ヒンズー教至上主義が継続的に圧力をかけているといううわさがあります。私たちは、その論理の妥当性を検証するため、インド政府が主張する理由を書面で詳細に知る必要があります」