イスラム過激派やフラニ族らによるキリスト信者誘拐や殺害事件が毎日のように絶えないナイジェリアで、またしても痛ましい事件が起きた。カドナ州ハイン・ナライにあるウィニング・オール福音教会(ECWA)の牧師ダウダ・バチュア氏が、フラニ族の武装勢力に誘拐され殺害された。
武装勢力は11月8日、ウングワン・カンティ村で農作業をしていたバチュア氏を拉致した。彼の妻が、誘拐から10日後に身代金を届けたところ、彼らは妻までも誘拐した。彼女は12月6日に無事解放されたのだが、夫のバチュア氏は誘拐犯らによって殺害され、12月の第1週にECWAの指導者らにそれが知らされ明らかになった。
犯人らは身代金を受け取りながらもさらに要求を上げ、それが不可能とみるやバチュア氏を殺害したのだ。
関係者によると、彼は犯人らに福音を説き、彼らの悔い改めのために祈ったという。これに怒った犯人らは、彼を殺害したというのだ。フラニ族の遊牧民はフラニ民兵とも呼ばれ、西アフリカ諸国の村々で、執拗にキリスト教徒を標的にする過激なムスリムとして知られている。
昨年11月17日に米国務省が発表した「信教の自由侵害の懸念国」(CPC)のリストには、ナイジェリアが除外されたことを受け、多くのキリスト教団体から非難の声が上がっていた。
バチュア氏の遺族の慰めと、ボコ・ハラムや過激派フラニ族らによる迫害が激化しているナイジェリアの福音化のために祈っていただきたい。
■ ナイジェリアの宗教人口
イスラム 45・1%
プロテスタント 37・1%
カトリック 12・1%
土着宗教 3・3%