ナイジェリア中東部プラトー州で村が襲撃され、子どもを含むキリスト教徒10人が死亡した。
米迫害監視団体「国際キリスト教コンサーン」(ICC、英語)によると、同州ミアンゴ地区のタアグブ村が11月26日早朝、イスラム教徒主体の遊牧民「フラニ族」の過激派によって襲撃された。目撃者によると、襲撃者は高性能の武器を持っており、「アラー・アクバル」(神は偉大なり)と叫んでいたという。襲撃者は村の約100軒の家屋に火を放ち、約690人が避難した。
イリグウェ族青年運動の会長は襲撃について、この地域からキリスト教徒を一掃することが目的だったとICCに語った。犠牲者の中には子ども3人が含まれており、最年少者は4歳だった。犠牲者のうち6人は同じ家族だったという。
生存者のシビ・ガラさんはICCに対し、「キリストのために孫を失った」と語った。
別の関係者はICCに、「この計算された攻撃は、カドゥナ州とプラトー州の州境から侵入したフラニ族の武装集団によって行われました。目撃者は、襲撃者がこの悪魔のような行為を実行するために一斉に集まってきたと話しています」と語った。
地域唯一の病院で治療を行っている地域唯一の医者であるイブラヒム・アムール医師がミアンゴ地区に来たのは5カ月前だが、これまでにフラニ族に襲われた被害者を40~50人も治療してきた。被害を受けているのは主に、イリグウェ族のキリスト教徒だという。
「被害者が治療費を支払うのは常に困難です。通常は地域社会やNGOが支払いを支援してくれます」とアムール氏は言う。
キリスト教迫害情報サイト「モーニング・スター・ニュース」(英語)によると、フラニ族の襲撃者は、襲撃を行う前月にミアンゴ地区のキリスト教コミュニティーに対し、村を出なければ攻撃を行うとする警告の書簡を送っていたという。
キリスト教徒らはこの書簡をプラトー州の軍や警察当局に伝えていたが、事件を防ぐことができなかった。事件の3日前には、別の村でキリスト教徒の農民2人がフラニ族に殺害される事件も発生していたという。