イエス・キリストをテーマにしたテレビ番組としては米国史上初めてシリーズ放送された「ザ・チョーズン」(原題:The Chosen)のクリスマス劇場版が、売上800万ドル(約9億1千万円)を突破した。
テレビ・シリーズ「ザ・チョーズン」の俳優が出演する映画「クリスマスをザ・チョーズンと:メッセンジャーたち」(原題:Christmas with The Chosen: The Messengers、英語)は、映画館対象の配給会社として全米11番目の規模を誇るファゾム・イベンツ社にとって、設立17年以来、初のベストセラー作品となった。
映画情報サイト「ボックスオフィス」(英語)によると、ファゾム・イベンツ社のレイ・ナット最高経営責任者(CEO)は次のように述べた。
「この作品には特別なものがあると分かっていました。私たちは『ザ・チョーズン』の熱狂的なファンと、上映時間や場所を追加して需要に対応してくれた上映パートナーに感謝しています。私たちは皆、この旅のパートナーとして、ファゾム・イベンツ社のベストセラー・ナンバーワンの座を獲得しようとしているのです」
ファゾム・イベンツ社は、映画配給会社のAMCシアターズ、リーガル・シネマズ、シネマーク・シアターズのジョイントベンチャー。本作は当初、米国の一部の劇場で12月1日から2夜限りの上映が予定されていたが13日現在、上映は16日まで延長されている。
チケットの販売は11月初め、番組制作者のダラス・ジェンキンス氏が出演するライブストリームで開始。販売開始からわずか12時間で150万ドル(約1億7千万円)を売り上げ、ファゾム・イベンツ社の前売り記録を塗り替えた。
本作の製作総指揮であるデラル・イブズ氏は当時、クリスチャンポスト(英語)に、マリアとヨセフの目を通してキリストの誕生を紹介し、2人が耐えた苦難を浮き彫りにする「素晴らしい」体験を視聴者は期待できると語っていた。
「私たちはキリスト降誕にまつわる幾つかの重要な事柄を象徴的に表現しています。大抵の人はそれを脇に追いやってしまうか、そのテーマについて歌うことはあっても、その背後にある意味を知りません」とイブズ氏は話す。
「『ザ・チョーズン』によって私たちは、破壊的なこと、つまり、既成概念にとらわれないことをしようとしています。より多くの人に観てもらうためには、時にはそうする必要があると考えているからです」
イブズ氏はまた、テレビ・シリーズを見ていない人でも「素晴らしいコンテンツを体験」できる「独立したエピソード」を製作しようと考えたと言う。
全編が秘密裏に撮影された本作には、フィル・ウィッカム、マーベリック・シティー・ミュージック、for KING & COUNTRY、ブランドン・レイク、ブライアン&ケイティー・トーウォルトら、クリスチャンのアーティストやグループによる演奏が盛り込まれている。製作者たちは、この作品をクリスマスシーズンにふさわしい礼拝に満ちた体験にしたいと考えている、とイブズ氏は言う。
作中の歌や台詞を通じて、視聴者が個人的に福音に触れることが、製作者たちの願いだ。
「私たちは皆、それぞれ違ったつながり方をしています。ですから私たちは、視覚的につながっている人たち、音楽や話す言葉を通じてつながっている人たちに目を向け、それらを一つの体験としてまとめ、互いに高め合い、人々が本当に感動できるような力強い作品にしたいと思いました」
本作は福音とイエスの降誕を中心としているものの、キリスト教信者の視聴者だけに向けられたものではない。「どんな信仰を持っている人でも、今回放送するこの特別なエピソードを楽しむことができると私は信じています」とエブズ氏は自信を見せた。
■ 映画「クリスマスをザ・チョーズンと:メッセンジャーたち」予告編(英語)