日本聖書協会主催のクリスマス礼拝が2日、日本基督教団富士見町教会(東京都千代田区)で行われた。新型コロナウイルス対策で参加人数を50人に制限し、来場できない参加者のために模様をインターネットでライブ配信した。同協会の石田学理事長はメッセージで、救い主の誕生を告げた天使の賛美「いと高き所には栄光、神にあれ。地には平和、御心に適う人にあれ」(ルカ2:14)を引用し、「神に栄光、地に平和。この2つの祈りを私たちの祈り、そして私たちの生き方として心に抱いて、この世の旅を続けていきたい」と語った。
礼拝では、同協会の具志堅聖(きよし)総主事が司会を務めた。小海光理事が聖書を朗読し、真壁巌理事が祈祷をささげた後、石田氏が講壇に立った。
石田氏は、天使から救い主の誕生を告げられた羊飼いについて「その時代において、最も時代に翻弄され、最も世界の過酷な現実に苦しめられる苦難の人々であった」と指摘。「この世界で重荷を負い、苦難に遭い、嘆き、悲しみを抱き、天を仰いで神を求めるすべての人々にとっての象徴であり、代表であり、分身です。救い主が来られたと信じる人は、今もあの天使の歌を委ねられている」と説いた。
世界はこの一年も「高ぶりと敵対を一層増し加え、強めてきた」と振り返り、「空に響く天使の歌声を、今も私たちは御言葉を通して聞きます。それを私たちは、あの羊飼いのように引き継いでいきたい」と呼び掛けた。
続いて第32回となる聖書事業功労者賞の表彰式が行われ、2018年に発行された「聖書協会共同訳」の装幀(そうてい)や、同協会が発行する「アートバイブル」などのブックデザインを手掛けてきたワイミー・グラフィックスの三輪義也氏(富士見聖書教会会員)が表彰された。
受賞のあいさつで三輪氏は、「デザインにはいろいろな方々が関わり、一つのものができます。ですから、私だけではなくて同業の方々の代表としてここにいるというつもりで頂くことにしました」と受賞の心境を語った。
「もし聖書をお宅にお持ちであれば、その方はもう聖書に関わっていらっしゃいます」と語り、「ご自身でどんな小さなことでも聖書に関わることができると思う。それはすべて聖書の功労に関わること」と励ました。「訳にかかわらずすべての御言葉が、いろんな人に行き渡ることを、また(聖書が)開き続けられることを、信じ続けられることを心から祈りたい」と語った。
閉会のあいさつで具志堅氏は、「コロナ禍が早く明けて、また自由に賛美ができ、共に礼拝をささげ、伝道宣教へと進み出たいと心から願っております。良き、恵み深いクリスマスをお過ごしくださいますように、心からお祈りしております」と述べた。